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書評家たちが絶句する芥川賞受賞作『むらさきのスカートの女』とは[文芸書ベストセラー]

8/10(土) 7:00配信

Book Bang

 8月6日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、単行本 文芸書第1位は『むらさきのスカートの女』が獲得した。
 第2位は『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』。第3位は『希望の糸』となった。

 1位と2位は第161回芥川賞と直木賞の受賞作。1位の『むらさきのスカートの女』は書評家たちから「摩訶不思議」「不穏な世界」と評される注目作。

 作家の大竹昭子さんは本作の異様な印象を《摩訶不思議な小説である。読み終えた途端に、自分は何を読んだのだろうと問わずにいられない。蜃気楼が現れてすぐに消えてしまったような感覚だ。ファンタジー小説ならそういうこともあろうが、これはジャンル小説ではないし、非現実的なことが起きますよという先触れめいたものもない。にもかかわらず、足下が危ない気配が最後まで途切れないのである。》と述べる。しかし書評の最後では《そこに滲みだす懸命で切実な空気が来るべき時代を予感させる。》と高く評価。
https://www.bookbang.jp/review/article/577795

 書評家・評論家の藤田香織さんは《今村夏子の小説は読者に緊張を強いる。(中略)連れていかれる。放り出される。読了した次の瞬間には現実に戻れる物語とは異なり、本を閉じても胸のなかに残り続ける。いや、その小説のなかに置いていかれた心地になる。実に疎ましく厄介だ。にもかかわらず、構えながらも、また触れたいと乞うてしまうのは、そこが唯一無二の世界だからだ。》と読む前から心してかかるべき作品だと警告。それでいて《予想もつかぬ展開となる後半、読者もまた自分が見ているものが分からなくなる。(中略)恐ろしく、切実なのに可笑(おか)しく、痛みを伴う平易な言葉で綴(つづ)られた百六十ページ弱の中編である。読むのは決して難しくない。こんな世界があったのかと、震えながら立ち尽くしてほしい。》と積極的に読者を不穏な読書体験へといざなっている。
https://www.bookbang.jp/review/article/575047

1位『むらさきのスカートの女』今村夏子[著](朝日新聞出版)

近所に住む「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性が気になって仕方のない<わたし>は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で彼女が働きだすよう誘導する。『あひる』『星の子』が芥川賞候補となった話題の著者による待望の最新作。(朝日新聞出版ウェブサイトより)

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最終更新:8/10(土) 7:00
Book Bang

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