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250cc 4気筒 vs 2気筒!『手の内にある超絶』を もう一度[#01 炸裂する超高回転サウンド]

8/11(日) 10:30配信

WEBヤングマシン

~250cc4気筒だけに許された才能~

現行250ccスポーツのエンジンは2気筒が主流だ。十分に速くて楽しく、街乗りからサーキットまで万能性も高い。しかし、“20000”もの数字をタコメーターに刻み、つんざくような高周波サウンドでライダーを熱狂させた、あの250cc4気筒エンジンの興奮を知る者としては……「ニーゴー4発をもう一度!」と、願わずにはいられない。

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●まとめ:伊丹孝裕 ●写真:真弓悟史

PROLOGUE:エキゾーストノートという ひとつの芸術(丸山 浩)

1988年、ロードレースの国際A級に昇格し、レーシングライダーのひとりとして、そして駆け出しのモータージャーナリストとして活動し始めていた私は、毎日のようにホンダCBR250FOURで走っていた。

ストリートには2ストロークの250ccと4ストロークの400ccがあふれ、ビッグバイクの世界にもレーサーレプリカのブームが到来。ハイスペックなモデルが矢継ぎ早に登場していた頃のことである。

それでも私は、手足のように扱える軽量コンパクトなホンダ初の市販ニーゴー4気筒をとても気に入っていた。

「メカマックス」というキャッチコピーを掲げていたそれは、アルミツインチューブフレームにフロントダブルディスクを装備。カウルはやや控えめなハーフタイプだったが、だからこそ、カムギアトレインによってバルブを開閉する水冷DOHC4バルブエンジンの存在が際立たっていた。

メカマックスの象徴でもあるそれをもっと楽しみたくなった私は、ほどなくマフラーをモリワキの集合管に付け替えた。45psの最高出力を14500rpmで発生し、そのまま18000rpm近くにまで吹け上がる超高回転型ユニットはさらに鋭さを増し、突き抜けるようなエキゾーストノートを披露。それはまるで音楽であり、芸術的ですらあった。

ニーゴー4気筒の魅力とはなにか? もしもそう聞かれたなら、エンジンから絞り出される、そうしたサウンドを真っ先に挙げる。もっと言えば、それさえあれば充分だ。

スロットルを開けた時に、いつまでも尾を引く「クァァァーーーン……」という共鳴音。ゆっくりと長く空気を震わせるその余韻は、ニーゴー4気筒だけに許された世界にほかならない。瞬間的にタコメーターの針が振り切れてしまう2ストロークエンジンは、その快楽が一瞬で過ぎ去り、同じ4ストロークエンジンでも排気量がニーゴーを超えると、すぐさま非合法な領域へ突入してしまう。

官能のサウンドと刺激的なパワーフィーリングが高い次元でバランスし、超絶の性能が手の内にあったあの頃。振り返ってみれば、ちょっとした奇跡のような時代だった。

いつのまにか進化を止め、やがて消え去ったニーゴー4気筒という悦楽。果たしてそれは、過去の思い出として記憶にしまっておくことしかできないのだろうか。

今だからこそ必要なモノがあり、今だからこそカタチにできるモノがある。今回、あらためてニーゴー4気筒に触れ、そう思わずにはいられなかった。ここから始まるのは昔話ではなく、未来への期待である。

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最終更新:8/11(日) 10:30
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