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弁護士が教える!「不動産賃貸借契約書」を読むときのポイント

8/11(日) 14:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

不動産投資を行う上では避けて通れないのが「賃貸借契約書」です。不動産オーナーと賃借人の良好な関係を維持するためにも、基本的な内容の理解はかかせません。本記事では、不動産オーナーのための「不動産賃貸借契約書」の基本的な読み方を解説します。※本連載では、投資用不動産業界の健全化を目指す一般社団法人首都圏小規模住宅協会が、正しい知識と公平な情報を紹介します。

契約期間の終了で、賃貸借契約が終了するわけではない

【今回の執筆者紹介】

竹村鮎子弁護士

練馬・市民と子ども法律事務所

2009年弁護士登録

今回は、国土交通省の「 賃貸住宅標準契約書(改訂版) 」に即した、不動産賃貸借契約書を読み解くためのポイントを説明していきます。

【「賃貸借の目的物」とは?】

頭書の次に書かれているのは、「賃貸借の目的物」です。「賃貸借の目的物」では、「貸す」「借りる」のはどのような建物であるかについて、特定して記載しています。

現実としては想定しがたいことですが、契約とまったく違う建物を貸し借りしていた、ということがないように、物件を詳細に特定しておくのです。まったく物件が違っていたというような極端な例ではなくても、たとえば住戸部分の設備について、契約書上、冷暖房があることになっているのに実際にはなかった場合、オーナー側の契約違反となり、損害賠償責任を負うことがあります。

このため、物件についてはきちんと設備まで確認した上で、特定するように注意しましょう。

【「契約期間」について】

「契約期間」には、賃貸借契約の期間を記載しています。

ここで気をつけなければならないのは、契約期間が終了すれば賃貸借契約が終了するわけではないということです。オーナー側が更新せずに、賃借人に出て行ってほしいと思い、いわゆる「更新拒絶」をするには、借地借家法上、正当事由が必要となります(第28条)。

正当事由では、通常「立退料を支払った」事実が必要となることが多いといえます。立退料の金額はケースバイケースで決定され、非常に高額になることもあります。

このように、更新拒絶ができるのは非常に限られた場合です。賃貸借契約は、賃借人が「出て行く」といわない限り、何度も更新されるのが一般的です。オーナーは一旦賃貸に出したら、オーナー側の都合で賃借人に出て行ってもらうのは、非常に大変だと思ったほうが良いでしょう。

ある限定された期間だけ賃貸に出して、どうしても更新をしたくないという事情がある場合には、「定期建物賃貸借(借地借家法第38条)」とする必要があります。定期建物賃貸借契約を締結すると、更新しないことを定めることができます。更新できないことは、賃借人には不利益になるため、その分賃料は低額に抑えられますが、短期間だけ貸したいという賃貸人のニーズにはかなう制度です。

【「賃料」や「共益費」など】

賃料や共益費などについてのルールを記載しています。支払期限について、前月末までに当月分を支払う前家賃なのか、当月に当月分を支払うのか、などについて定めることが大切です。

⺠法の原則からいえば、賃料は当月払いとなります。このため、前家賃にしておきたい場合には、特別に定めておく必要があります。賃料の増減額については、特に賃貸借契約書に定めがなくても借地借家法第32条によって定められているので、賃貸借契約期間中であっても、賃料の増減額を求めることはできます。

なお、賃貸住宅標準契約書では4条2項で賃料の増減額について定められています。

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最終更新:8/11(日) 14:00
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