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スマホを捨てよ、旅へ出よう! SNSを“断食”する「デジタルデトックス」のすすめ

8/11(日) 11:00配信

デイリー新潮

ジワリと増え続ける「スマホ認知症」の恐怖(2/2)

 働き盛りの若い世代にもかかわらず、最近もの忘れが酷くなった……。おくむらメモリークリニック院長の奥村歩(あゆみ)氏は、IT機器に頼りすぎて脳機能が低下した状態を「スマホ認知症」と名付け、警鐘を鳴らす。詳細は前回記事をご参照頂きたいが、その原因は主に“情報過多”で脳が疲れることにある。正しいスマホとの付き合い方とは。

 ***

「スマホに囚われた気持ちを一旦断ち切り、リフレッシュさせることが大切です」

 とは、東京脳神経センターの脳神経外科医・天野惠市氏だ。

「対策の鍵となるのは『芸術、スポーツ、大自然』の三つです。『芸術』とは作品を鑑賞したり、自分で絵を描いたり楽器を演奏したり、カラオケで歌うだけでもいい。『スポーツ』だってゴルフや野球など何でもいい。少し速く歩くことも有効です。1キロを10分程度、規則正しくリズミカルに歩くと“幸福ホルモン”といわれるセロトニンが分泌されやすくなり、気持ちがハッピーになって頭がスッキリします。最後の『大自然』では、鳥の鳴き声や風の音に耳を澄ませ、空を眺めるだけで頭の中はすっからかんになる。これらを行っている間に、脳内では溜った情報が仕分けられて不必要なゴミが一掃されるのです」

 夏休みに旅行を計画する方も多いだろうが、思い切ってスマホを“断食”する「デジタルデトックス」を試してみてはどうだろう。 

 全国に宿泊施設を展開する星野リゾートの高価格帯ブランド「星のや」では、5年前から「脱デジタル滞在」プランを始めている。

 広報担当者が言うには、

「チェックインの際、スマホやPCなどすべてのデジタル機器をお預かりする代わりに、各地の自然や文化を体験するアクティビティをご用意しております」

 宿泊客の感想はこうだ。

「普段スマホを見ながら食事をするので、翌日には食べたものを忘れていた。今回は食べることに集中したので、食材の味や香りまで記憶に残って感動したという声や、宿を出てスマホでSNSを見たら重要でない連絡ばかり。その処理に忙殺されていた自分に気づいたという方もいました」(同)

 ちなみにお値段は最も安い沖縄・竹富島のプランでも3万5千円(食事代・スパ利用料金込み)で、別途宿泊料が2~3名収容の1室あたり1泊7万~8万円かかる。スマホの最新機種が買える金額だけに二の足を踏んでしまうが、リーズナブルなツアーもある。

 主催する日本デジタルデトックス協会のリコネクター・森下彰大氏によれば、

「お値段は1泊2日で8千円くらいで、長野や岐阜でキャンプをしながらたき火をしてご飯を作ります。五感をフルに使って楽しみながら大自然の中でボーッとする時間を提供していますが、もちろん始める前にスマホや時計、全てのデジタル機器をお預かりします。カメラは『写ルンです』ならオッケーですよ」

 インスタ映えのご時世だけに、すぐさまSNSに投稿したいという衝動に駆られる参加者も少なくない。

「私も最初はそうでしたが、1泊したらスマホがない方がスッキリすると、電源をオフにしたまま帰られる方もいた。DVDが観たいと駄々をこねるお子さんが、帰りの車の中でテレビをつけたら“眩しいから消して”と言ったので驚いた、というご両親もいました」(同)

 この夏は、「スマホを捨てよ、旅へ出よう」を実践すれば、忘れかけていた何かを取り戻せるかもしれない。

「週刊新潮」2019年8月8日号 掲載

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最終更新:8/11(日) 11:00
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