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仙台育英のスーパー1年生育成法。 「1週間200球でも投手は育つ」

8/11(日) 6:57配信

webスポルティーバ

仙台育英(宮城)の練習会場で須江航監督とバッタリ顔を合わせると、須江監督は笹倉世凪(せな)と伊藤樹(たつき)の1年生投手コンビを呼び寄せ、「菊地選手(筆者)が来てくれたぞ」と仲介してくれた。

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 1年ぶりに再会した笹倉は、心なしか背が高くなったように見えた。

「少し伸びました。177センチです」

 相変わらず口数は少なく、表情からは感情が読み取りにくい。大船渡(岩手)との練習試合で佐々木朗希から本塁打を浴びたと聞いていたため、その話を振っても「いや......とくに何も思わなかったですね」と乗ってこない。

 伊藤は相変わらず社交的で、自分の考えていることを淀みなく言語化できる長所は健在だった。

「硬球に慣れてからストレートの質がすごくよくなって、空振りが取れるようになってきました。硬球は回転がわかりやすいので、その回転を見て次の球から修正しやすいのかなと思います」

 1年前、私は『中学野球太郎』(廣済堂ベストムック)という雑誌の体験企画「菊地選手のホームランプロジェクト」で仙台育英学園秀光中等教育学校(秀光中)の投手陣と対戦する機会に恵まれた。

 その夏に全国中学校軟式野球大会(全中)で準優勝することになる秀光中には、最速140キロを超える投手が2人もいた。それが最速147キロ左腕の笹倉と最速144キロ右腕の伊藤だった。

 同一中学野球部に最速140キロ超の速球派が2人も存在したことなど、これまであっただだろうか。私は取材時に4打席ずつ対戦させてもらい、当たり前のようにノーヒットに終わった。

 その対戦時も笹倉は146キロ、伊藤は143キロを計測したが、とくに印象深かったのは伊藤の完成度の高さだった。ストレートは球速ほどの強さを感じなかったものの、コーナーに投げ分けるコントロールが抜群。さらにストレートと同じ腕の振り、同じ軌道からスッと落とすスプリットがあり、「こんなピッチャー、打てるはずがない」と絶望した。金子弌大(日本ハム)を彷彿とさせる飄々とした顔つきまで脳裏に焼きついた。

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最終更新:8/11(日) 6:57
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