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【真夏のスーパーカー特集05】ポルシェ930ターボは、GTカーにしてスーパーカーキラーだった!

8/13(火) 12:01配信

Webモーターマガジン

実測240km/hでイタリアンスーパーカーを凌ぐ実力

Cam-Am(カンナム)レースに本格参戦したポルシェは、5Lフラット12ターボで大排気量のシボレーV8勢を蹴散らし、1972-1973年シーズンを席捲した。その後、燃費規制の導入などもあってワークス活動からは撤退したが、ターボ ポルシェ(917/10K、同30K)の速さは人々の脳裏に強く焼き付いた。

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ワークス活動を撤退したポルシェだが、1973年のフランクフルトショーに、明らかに911ベースだがカレラより123mmも幅広いワイドフェンダーと大型リアウイングを備えたプロトタイプを出品した。2.7Lフラット6はエーベルスペヒャー製ターボで過給され、280psを発生すると公表された。

翌1974年には「930ターボ」と名付けられてパリショーに登場。1975年からデリバリーを開始するとアナウンスされる。

リアに縦置き搭載される930/50型エンジンは911伝統の空冷フラット6。排気量は2994ccでKKK製ターボを装着し、ブースト圧0.77バール、圧縮比6.5:1とボッシュKジェトロニックによる燃料供給で、260ps/35.0kgmを発生。最高速度は250km/h以上と公表された。

これだけの高性能車にもかかわらず、トランスミッションは当初4速MTのみだった。これをポルシェは「4速で十分性能を発揮できるから」と説明したが、実はサーボシンクロ機構がターボのトルクに耐えられないため4速にしたとも言われている。

とは言え、930ターボは市販モデルでも実測で240km/hオーバーを確実にマークした。イタリアンスーパーカーの多くが6個のツインチョークキャブレターの同期調整に手こずり、本来の性能が発揮できなかったのとは対照的で、この安定性がポルシェの真骨頂とも言えた。

1978年にはさらに戦闘力を高めるためエンジンを3.3Lにスケールアップする。リアウイング内には空冷インタークーラーを搭載し、圧縮比を7.0:1に上げた結果、最高出力は+40psの300psに、トルクは+5kgmの40kgmまでアップした。

クラッチ機構の改良でエンジン搭載位置が30mm後退し、インタークーラーをエンジンフードの真下に装着したため、リアウイングの形状が変わっているのが特徴だ。

1980年代以降もマイナーチェンジが繰り返されるが、中でも大きな変更が1989年のトランスミッション換装だろう。それまでのG930型4速MTに見切りをつけ、ボルグワーナー製G50型5速MTの採用に踏み切ったのだ。

熱したナイフでバターを切るようなノと言われたポルシェシンクロの操作感を惜しむ人もいたが、節度感のあるボルグワーナーのシフト感を歓迎する声が多かったのも事実だ。

と同時に、1989年をもって930ターボは15年間にわたる歴史の幕を閉じる。圧倒的な高性能をいつでもどこでも引き出せるポルシェ911の頂点は、次世代の964型に移行した。

ポルシェ 930ターボ 主要諸元

・全長×全幅×全高:4290×1775×1320mm
・ホイールベース:2270mm
・車両重量:1140kg
・エンジン:空冷・水平対向6 SOHCターボ
・排気量:2994cc
・最高出力:260ps/5550rpm
・最大トルク:35.0kgm/4000rpm
・トランスミッション:4速MT
・駆動方式:リア縦置きRWD

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最終更新:8/13(火) 12:01
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