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韓国で日本ボイコットに反旗? 日本文化めぐり分断国家の世論割れる

8/13(火) 18:17配信

ニューズウィーク日本版

映画界では日本映画自粛の動き

そして筆者が個人的に恐れていた映画界にまでその影響が出始めた。8月14日に韓国で公開予定だった『映画ドラえもん のび太の月面探査記』の配給会社は「国民感情を考慮し、公開を無期限延期した」と発表した。現在も「年内に公開」という記載はあるものの、いつになるかなどの情報はない。またドラえもんよりもひと足先に公開された劇場版『名探偵コナン 紺青の拳』は、8月9日の時点で観客動員数が21万8千人という結果となってしまった。

2016年公開された『名探偵コナン 純黒の悪夢』は約52万人。2017年公開の『名探偵コナン から紅の恋歌』45万人、去年公開の『名探偵コナン ゼロの執行人』42万人という動員累計数を見ても、今年の客足の落ち込みは明らかである。韓国でも人気の高いアニメシリーズ2作の劇場版だけに、ここまで影響が出てしまうと日本映画を扱っている映画輸入会社は驚きを隠せない様子だ。

また、8月29日から開催される「忠清北道国際武芸アクション映画祭」では、元々日本映画『座頭市』をモチーフにしていた公式ポスターを急きょ差し替え、映画祭期間中に行われるはずだった「座頭市オリジナルセクション」の上映中止を発表した。

そして映画コンテンツの2次版権への影響をみると、公営放送局EBSは、7月27日オンエアの「世界の名画」で、日本映画『万引き家族』を放送予定だったが、直前でイタリア映画『夕陽のガンマン』(1965年)に差し替えた。映画輸入会社は、劇場での売り上げだけではなく、そのあと展開される2次版権も見越して映画を購入する。放送局に放送権を売り、配信コンテンツ会社とインターネットやVODの版権を取り引きすることで利益を上げる作品もある。だからこそ、何百万人も動員できるハリウッドの派手な超大作とは反対の、公開規模は小さくても素晴らしい作品を買い付けて公開することができるのである。

映画『万引き家族』の是枝裕和監督は、韓国でも人気が高い日本人監督のひとり。しかもカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した話題作である。そんな作品ですら放送を取りやめるような状況になってしまったら、今後韓国の放送局は日本映画の放送権購入を渋りだしかねない。そうすると、韓国の映画買い付けバイヤーは日本映画の購入から足が遠のいてしまうのは確実だ。

このような悲観的なニュースが目立つ一方で、日韓関係に前向きな決断をした映画祭も現れた。8月8日から開催されている「堤川国際音楽映画祭」だ。今年で15回目になる堤川国際音楽映画祭は、今年上映される127本の映画のうち7本が日本映画(アメリカ/フランスなどとの合作含む)だった。上映プログラムが発表されたのは、日韓関係がこれほど悪化する以前だったが、日韓両政府の対立が深刻になっていくにつれ堤川市議会は7本の映画の上映中止を要請。しかし、今回の映画祭組織委員長を務めるイ・サンチョン堤川市長はそれに屈せず、開催4日前の8月4日にSNSを通じて「7本のうち4本は、日本と外国との合作及び投資作品で、残りの3作も政治とは関係のない映画だ。これらの映画は政治と切り離した純粋な芸術作品である」と上映中止する考えのないことを発表。日本政府批判や日本製品のボイコットをする行動に理解を示しつつも、映画を愛する観客として映画祭への日本作品参加を認めた。

また、日中韓合作アニメ映画『あなたをずっとあいしてる』は、一時は公開が危ぶまれたが、合作であり韓国が企画・制作・投資も行ったことを強調し、8月14日に無事公開が決定した。冒頭で書いたように、奇しくも同日公開予定だった『劇場版ドラえもん のび太の月面探査記』は無期限延期という結果になってしまっただけに、『あなたをずっとあいしてる』は興行的にも成功してほしいものである。

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最終更新:8/14(水) 19:51
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