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AMGの新型4ドアクーペは過激だけど実用性もスゴい! Eクラスベースでもコレならアリ!?(メルセデスAMG GT 4ドア クーペ 63S 4マティック+公道試乗記)

8/13(火) 21:11配信

GQ JAPAN

リアゲートのある4ドア・クーペ

「メルセデスAMG GT 4ドア クーペ 63S 4マティック+」は、最高出力639ps、0~100km/h3.2秒、最高速度315km/hという超高性能を誇る4ドアクーペである。性能はもう掛け値なしにモノスゴイ。4ドアクーペを名乗っているけれど、ちゃんと大人5人が乗れて、リアゲートを備えている。ラゲッジにはゴルフバッグがふたつは入る。リアシートを倒せば、当然2人乗りになるけれど、ゴルフバッグはもっと入る。

プレスリリースには、「日常を究極へ」とある。“Life is a Race(人生はレースだ)”なんて動画もYouTubeにはある。家を出たら、そこはサーキット。カッコいい!

もっとも筆者がこういうものをちゃんと見たのは原稿を執筆する段階になってからで、実際の試乗時はよくわかっていなかった。“メルセデスAMG独自開発”、という文言しか読んでなかったので、「あのAMG GTの4ドアだ」と、私は思い込んでいた。アルミスペース・フレームのフロント・ミドにV型8気筒エンジンを搭載するトランスアクスルのロング・ホイールベース版であると信じていた。そんなのつくるわけない、ともいえないのは、アストン・マーティン「ラピード」という先例がある。日産「GT-R」とかポルシェ「911」の4ドアはメーカーが手を出さないのに、AMGはエライ!

実車を初めて見た私は、まずもって鮮烈なボディ・カラーに驚嘆した。「ブリリアントブルーマグノ(マット)」という名称が示すごとく、鮮やかなブルーなのにつや消しなのだ。これは新しい。ただ、外見はどこかで見た記憶がある。着座してようやく気づいた。これは「CLS」だ!

そう。ご存じのかたはとっくにご存じのように、メルセデスAMG GT 4ドアクーペはCLSのプラットフォームを流用している。がーん。ということはつまり、その正体は「Eクラス」ということである。がーん。だからといって、こういうことは自動車産業においてごく普通のことである。

CLSとおなじといっても、初めてみるモノが多々ある。たとえば、ステアリングの右側のスポークには「AMG DYNAMIC SELECT」なるドライブモードを切り替えるスイッチ、左側には排気音やサスペンション、ギアボックスのマニュアル・モード等を切り替えるスイッチが付いている。センターコンソールもAMG独自のモダンなデザインが採用されている。

ダッシュボードのENGINEのスタートボタンを押した途端、ガオッとフロントのV型8気筒ツインターボ・エンジンが目覚めると同時に吼える。現行 63シリーズ共通のV8のなかでも最強のユニットである。前述したように最高出力639psを5500~6500rpmで、最大トルク900Nmを2500~4500rpmで発揮する。排気量3982ccで、ボア83.0×ストローク92.0mmのロング・ストローグ型。ツインスクロールのターボチャージャーをふたつ備えている。音質は往時の6.2リッター自然吸気とそっくりで、野太くワイルドで、低音のビートがドスンと身体に響く。

車重は2170kgもあるというのに、900Nmという膨大なトルクでもって軽々と走り出す。なお、メルセデスAMG GT 4ドアクーペは数値上、ものすごくでっかいクルマである。全長は5mを超え、全幅は1950mmと2mに迫り、全高は1440mmある。プラットフォームを共有するCLSより、じつはほんのちょっぴり背が高いのは実用性を慮っているからだろう。ちなみに、プラットフォーム共有といっても、メルセデスAMG GT 4ドアクーペのホイールベースは2951mm、CLSはEクラスと共通の2940mmで、これまたほんのちょっぴり異なる。

リアゲートを持つメルセデスAMG GT 4ドアクーペは荷室のフロアにCFRP(カーボン・コンポジット)が使われているほか、シャシーの開発に際してモータースポーツのシミュレーションの手法が採用され、補強が適所に施されているという。その成果だろう、開口部が大きくなると剛性が落ちるものだけれど、リアゲートのハンディを微塵も感じせない。ようするにボディ剛性はものすごくしっかりしている。もしかしてその剛性感がある種、神聖な空間をつくりだしている、と感じるほどに。

サイズに似合わない俊敏さを備えているのは、4WSを備えていることもある。「AMGリア・アクスルステアリング」と呼ぶ4WSシステムは、100km/h以下だと、前輪とは逆相に最大1.3度、それ以上だと、同相に最大0.5度、電動アクチュエーターが自動的に操舵する。

ははあ、と感じるのはパーキング・スピード時よりも、100km/h以下の中低速コーナーで切りましたときだ。長尺物がクイクイッと中に入っていく感がある。

乗り心地はエアサスペンションであるのが信じられないほど硬い。このエアサスはマルチチャンバーを備えていて、コーナリング時やブレーキング時、瞬時に硬いスプリングレートに切り替えると説明されている。そうやって、ボディをフラットに保つわけである。

フィーリングで申しあげると、その切り替え幅が狭い。もともとそれほどロールしないことを前提にした硬さなのだ。

もっとも、この硬さはスポーツで鍛えられた筋肉のように、引き締まって硬いものなので、むしろ憧れのような硬さに思われて、ちっとも不快ではない。たとえば、プロレスラーの飯伏幸太の腹筋みたいな……(もちろん触ったことないけど)。

タイヤ・サイズは前265/40、後ろ295/35という超扁平のZR20である。扁平率だけでいうと、プラットフォームを共用する「E63S 4MATIC+」は前265/35、後ろ295/30という薄さで、だけど筆者の記憶ではこちらのほうが乗り心地はファームなのではあるまいか。でもって、E63Sでは箱根方面に行かなかったというのもあるけれど、スポーツカー度合いはメルセデスAMG GT 4ドアクーペのほうが断然上に思われた。

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最終更新:8/13(火) 21:11
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