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「脚が震えて……針のムシロです」 ”京アニ火災”青葉容疑者の伯父が告白した事件のこと

8/13(火) 17:00配信

文春オンライン

〈あのクソアニメ会社が……〉警察が注目するネットの書き込み

 青葉は犯行前、「響け!ユーフォニアム」の舞台のモデルとなったJR宇治駅周辺を“聖地巡礼”していたことが確認されている。

「警察は動機の解明のため、青葉のものではないかと思われる、昨年投稿されたネット掲示板への書き込みも調べている。ただ、掲示板には接続経路を匿名化するTor(トーア)というシステムが用いられているため、京都府警のサイバー部隊が解析を進めています」(同前)

 京都府警が注目する書き込みは、次のようなものだ。

〈あのクソアニメ会社が一番やりそうなことってあの時点で原稿叩き落として裏切ることだったんだよな〉

〈もっと細かく気にして「これはなんかあるぞ」と予測しとけば わざわざ、「爆発物もって京アニ突っ込む」とか「無差別テロ」とか「裏切られた」など感じる必要もないわけで〉

業界を代表するアニメーターの命が奪われた

 放火直後、妄執にとらわれた青葉は「作品をパクられた」などと叫んだ。その一方で、本気で作品づくりに取り組んできた多くのクリエイターの命が奪われた。

 その中の一人、アニメーターの木上益治(きがみよしじ)さん(61)は「火垂るの墓」や「AKIRA」などの作品に携わってきた。木上さんと「東京デザイナー学院」の同期の渥美敏彦さん(59)が語る。

「木上君はアニメーターになるという明確な目標があった。入学前の2年間は働いて学費を貯め、学生時代もガソリンスタンドでバイトしていた。無口でしたが優しくて、僕が課題の動画を描けずに悩んでいると、『貸してごらん』とスラスラ描いてくれた。人物を描くのも一筆書きで本当に速くて。その姿を目の当たりにして、僕はアニメーターになるのを諦めたんです」

 事件の生存者の一人も、木上さんをこう惜しむ。

「業界を代表するアニメーターで、仕事には厳しいのですが、まろやかで優しい『お父さん』のような存在。進行中だった作品の監督にもなっていたのに、それをよくも壊しやがって……」

 青葉が仮に断罪されても、失われたものは戻らない。

「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年8月15・22日号

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最終更新:8/13(火) 20:18
文春オンライン

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