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空き家になっている自宅はありませんか?「旅館業経営」の手法

8/13(火) 10:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

全国で空き家が増え続けていますが、その活用法として宿泊施設への転換が注目されています。本記事では株式会社WALLMATE不動産で不動産コンサルティングを行う高澤啓氏が、戸建での旅館業経営について解説していきます。

空き家の戸建てを「旅館業」で有効活用

転勤や引越しのため、使わなくなってしまった戸建ての自宅はありませんか。

「いずれあの家に戻るかもしれない」

「いつか誰か親戚(子供)がいつか使うかもしれない」

と考えて、そのまま空き家として放置している方は多いのではないでしょうか。空き家のままにしておくのは経費ばかりがかかりもったいないので、ぜひ、活用したいものです。

では、空き家の有効活用法として「旅館業」があるのをご存じでしょうか。「住んでいた家を旅館業に」といわれても、なかなかピンとはこないでしょう。「そもそも戸建ててなんかに旅行者が泊まるのだろうか?」といった疑問を持たれた方も多いのではないでしょうか。実は、「戸建ててに泊まりたい」という旅行者のニーズは高まっています。

みなさんが家族旅行する立場になったときを想像してみてください。都心のホテルを、二人一部屋で何部屋か予約するとしましょう。せっかく家族で旅行をしているのに一体感のなさに加え、周りの旅行者に対して気を遣うことにもなり、さらに料金も高い……。それが、もし家族で自分の家のように使える戸建ててが旅行先にあれば、周りの目も気にせず、家族だんらんを楽しみながら旅を満喫できるようになります。

地方の温泉宿にでも行けばこのような旅館もありますが、都心部は旅館が少なく、狭小ホテルばかり。さらに1人部屋や2人部屋が多いため、家族旅行には適しません。海外からの旅行者であれば家族客が多く、2020年開催の東京オリンピックの影響もあり、特に都心の戸建てては旅館業に向いているといえるのです。

「旅館業」とみなされる条件は?

では、旅館業を行うにはどのような条件が必要でしょうか。旅館業法(1948年法律第138号)において、

旅館業とは、「施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業」であることとされ、「宿泊」とは「寝具を使用して施設(ホテル、旅館等)を利用すること」

とされています。この「営業」とは宿泊施設の提供が「社会性をもって継続反復されるもの」という部分に該当するかどうかで判断されます。旅館業にあたるかを判断する4つの判断基準として、

(1) 宿泊料徴収の有無

(2) 社会性の有無

(3) 継続反復性の有無

(4) 生活の本拠かどうか

という基準になります。1つひとつ見ていきましょう。

まず「(1)宿泊料徴収の有無」です。「宿泊料」の定義ですが、宿泊する料金以外にも、休憩料金、寝具賃貸料、クリーニング代、光熱費、室内清掃料なども含まれます。食事サービスや、テレビ使用料、ランドリー使用料など、宿泊に絶対必要なものではないサービスなどは、関係ありません。つまり朝食が付いていても、付いていなくとも宿泊料が発生しているものになります。

ただし、食事代が社会通念上食費の対価として考えうる額を上回る場合は、実質的な宿泊料を支払っていると判断され、旅館業に該当する場合もあります。

次に「(2)社会性の有無」についてです。ここでいう「社会性がある」とは、人を泊めるという行為のうち、友人や親戚を泊めるという範囲を超えたものを指します。たとえばインターネットを通じて、不特定多数の宿泊者を募集することは、「社会性がある」とみなされます。

続いて「(3)継続反復性の有無」についてです。たとえば年に1回(2~3日程)の自治体のイベントなどで、宿泊施設として使わせてほしいと要請を受ける場合など、公共性の高いものは継続反復性がないと判断されます。一方、インターネットを通じて定期的に宿泊者を募集している時点で旅館業に該当します。なお、公共性の有無に関しては ガイドライン を参考にしてください。

最後に「(4)生活の本拠かどうか」です。宿泊施設の使用期間が1ヵ月未満の場合や、1ヵ月以上であっても、部屋の清掃や寝具の交換提供等を施設提供者が行う場合は、旅館業に該当します。つまり利用者自身が、生活の本拠にしているかということです。1泊2泊や1週間単位で施設を利用したとしても、利用者の生活の本拠とはなりません。

また、宿泊滞在期間が1ヵ月を超える場合でも、施設の衛生維持管理者が施設提供者(営業者)にある場合、当該施設は利用者の生活の本拠ではないとみなされ、旅館業に該当します。

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最終更新:8/13(火) 10:00
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