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家電やビール、「店よりネットで買う方が安い」はどこまで本当か

8/13(火) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン

 10月に消費増税を控え、大物家電や生活必需品の購入を検討している人も少なくないだろう。「少しでも安く買いたい」と考える時、「販売担当のいないネットの方が安い」という人もいれば、「実店舗で価格交渉した方が安い」という人もいるだろう。果たして、どちらが正しいのだろうか?(消費経済ジャーナリスト 松崎のり子)

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 1年のうち消費意欲が最も高まるのが7月、8月、そして12月の、いわゆるボーナス商戦の時期だといわれる。

 10月に消費増税を控える2019年は、今が駆け込み消費のタイミングにあたる。大物家電や生活必需品を安く、オトクに買うためのベストな方法は何なのか、頭を悩ませている人も多いだろう。「安く買いたい」と考えるなら、「販売員のコストがかからない分、ネットで買った方が安いのではないか」と思いがちだ。果たしてそれは正しいのだろうか。それとも、価格交渉できる実店舗の方が安いのだろうか。

 私たちが当たり前のように利用しているネット通販。経済産業省の調査によると、2018年のBtoCのEコマース(ネット通販)の市場規模は、物販系分野だけで9兆2992億円で、前年比で8.12%の伸びとなった。商取引市場全体に占めるEコマースの実施割合を表すEC化率も、2017年の5.79%から2018 年は6.22%に上昇したという。

 モノを買う際にネット通販を利用する割合がじわじわと増えているのは間違いない。店にわざわざ出向かなくても買い物ができるという利便性だけでなく、価格面のメリットもあるのだろう。ところが、この経産省の報告書「平成30年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」には意外な記載があった。

● ネットも実店舗も 価格は同じなのか?

 同報告書には、日本を含む10ヵ国のネットと実店舗における価格比較の調査結果が掲載されている。

 それが次のグラフだが、「ネットの方が安い」ケース、「実店舗の方が安い」ケース、「ネットと実店舗が同じ価格」のケースの割合を見ると、日本の場合は全体の48%が「ネットと実店舗が同じ価格」、45%が「ネットの方が安い」となっている。ブラジルも日本と似ていて42%が「ネットと実店舗が同じ価格」、40%が「ネットの方が安い」。ところが他の8ヵ国はすべて「ネットと実店舗が同じ価格」が優勢なのだ。「ネットで買う方が無条件に安い」という思い込みは正しくないという結果になった。

 ちなみに、物販系分野のEC市場規模を大きい順から並べると、「衣類・服装雑貨等」「食品、飲料、酒類」「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」が上位3カテゴリーとなる。特に「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」のEC化率は32%、つまり約3割の人がネット通販を利用していることになる。

 インターネット上には価格比較サイトもあれば、ECサイトには同一商品の最安ショップを探索できる機能もあり、単純に最安値ならネットに軍配が上がる。しかし、店独自のクーポンやポイントのほかに、使えるアプリ決済手段が広がっている。そのため、実店舗の方が総合的にメリットが大きいケースもあり、価格比較だけでは語りきれない。特に家電やPCは決して安くない買い物だ。店頭で現物を見て、店員から説明を聞きたいと思う人もいるだろう。

 ここで、ふと疑問がわく。大手家電量販店は、それぞれネット直販サイトを持っている。先の経産省調査の「ネットと実店舗が同じ価格」はここに当てはまるのだろうか。

● 「ネットと実店舗で同価格」は 本当か?

 まず大手家電量販店Xのテレビのケースで見てみよう。チラシ掲載価格と直販サイトの価格で比較した(下記参照)。

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最終更新:8/13(火) 6:01
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