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ジレットの凋落: P&G 、イノベーションと新分野への投資を進める

8/14(水) 8:51配信

DIGIDAY[日本版]

「パーソナライズへの投資」

ユーロモニター・インターナショナル(Euromonitor International)のリサーチアソシエイト、アンドリュー・スタブレイン氏は「P&Gは明らかにシェービング体験をよりパーソナライズするための投資を行っている」と指摘する。

米DIGIDAYは以前、P&GがD2Cブランドのさらなる買収によって売上獲得を目指していると報じた。P&Gが最近発表した買収は2月の生理用品ブランドのディス・イズ・エル(This is L)の買収で、その額は1億ドル(約110億円)と報じられている。

P&Gは買収だけでなく、革新的なブランドの立ち上げも増やしている。2015年にローンチされたスタートアップスタジオのP&Gベンチャーズ(P&G Ventures)もその一例だ。P&Gベンチャーズは今年春に最初の製品として、子供やペットがいる環境でも安全に使える虫除けスプレーのゼボ(Zevo)を発売している。ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)の過去の報道によるとP&Gベンチャーズの社員は20名で、これまでにP&Gが参入していなかった新しい部門の商品を重点的に開発している。

P&Gベンチャーズのゼネラルマネージャー、リー・ラドフォード氏はウォールストリート・ジャーナルに対して「社内の文化を変える必要があった」と語っている。「すなわち複雑な意思決定プロセスを簡略化することだ。意思決定は24時間以内に行うことを決定した」。

「いまのための決断を重視」

Bインサイト(CB Insights)の消費者および小売調査担当ディレクター、ロビン・シャーク氏はP&Gについて「いまのための決断を重視している。ポートフォリオはシンプルに、意思決定は少しだけ早く。だが、将来のトレンドについても重視している」と語る。シャーク氏は、P&Gはとりわけ環境に優しい製品や天然由来の製品に興味のある消費者向けに製品開発を進めていると指摘する。昨年2月にP&Gは香料、ローション、パラベンが含まれていないパンパース・ピュア(Pampers Pure)というオムツを発売した。また3月には植物由来の洗剤類ホーム・メイド・シンプル(Home Made Simple)を発売している。

だがこうした商品の多くがP&Gの売上に占める割合は小さく、もはや同社にジレットのような過ちをほかのブランドで犯す余裕はない。前年同期は18億9000万ドル(約2010億円)の黒字を計上していたP&Gは、ジレットの評価損により52億4000万ドル(約5590億円)の赤字に転落している。

「P&Gがもっとも得意なのが規模の拡大だ」とチャタジー氏は指摘し、次のように述べている。「デジタル新興企業らがシンシナティの海千山千の巨大企業よりも長く生き残れるか、時がたてば答えは明らかになるだろう」。

Anna Hensel(原文 / 訳:SI Japan)

編集部

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最終更新:8/14(水) 8:51
DIGIDAY[日本版]

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