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エボラ出血熱、ついに「治療可能」に

8/14(水) 12:11配信

WIRED.jp

勢いの衰えない混乱と暴力のさなか、コンゴ民主共和国にいる科学者と医師たちは、この1年続いてきたエボラ出血熱のアウトブレイク(集団感染)と戦うべく新薬の治験を続けてきた。そして治験の共同スポンサーである世界保健機関(WHO)と米国立衛生研究所(NIH)は8月12日(米国時間)、2種の実験的治療法が生存率を劇的に向上させるようだと発表した。

史上最悪の伝染病、エボラについて知っておくべきこと

すでに実験的なワクチンがエボラへの感染を防ぐことが示されてきたが、今回のニュースはすでに感染した患者に対する効果を示す初めてのケースとなる。「これでわたしたちは、もはやエボラを不治の病とは呼ばなくなるでしょう」と、現場の治験運営を監督してきたコンゴ民主共和国の国立生物医学研究所所長、ジャン・ジャック・ムイェンベが語った。

治療後の死亡率が6パーセントまで低下

流行が最も深刻な同国東部の4カ所の治療センターで昨年11月から、患者に対して4種の治験薬から無作為に選んだ1種の投与が開始された。「Remdesivir(レムデシビル)」という抗ウイルス薬か、モノクローナル抗体を使用する3剤のうち1剤のいずれかを投与するものである。

科学者たちはこれらのY字型の大型タンパク質を調合し、侵入したバクテリアやウイルスの特定の形を認識し、免疫細胞を動員してこれらの病原体を攻撃するようにした。そのうちの1剤である「ZMapp」は現在、エボラのアウトブレイクにおける標準的な治療法とみなされている。

ZMappは2014年に西アフリカを襲ったエボラのエピデミック(局地的な流行)の際にも試され、使用されたものだが、目的はそれらのほかの製剤がZMappより高い効果を上げられるかどうか検証することにあった。しかし、最初の681人の患者の予備データ(当初の予定は725人)で非常に優れた結果が示されたため、いまでは治験は中止されている。

NIH傘下の米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)所長のアンソニー・ファウチによると、4カ所の治験センターでZmappの治療を受けた患者の全死亡率は49パーセントを示した(治療を受けない感染者の死亡率は75パーセントを超える)。なかでもリジェネロン・ファーマシューティカルズが手がけたモノクローナル抗体のカクテルは死亡率を29パーセントまで下げ、死亡率の低下が最も大きかった。「mAb114」と呼ばれるNIAIDのモノクローナル抗体の死亡率は、34パーセントだった。

効果は、感染後すぐに治療を開始しウイルス量がまだ少なかった患者で最も高く、mAb114の死亡率は11パーセント、リジェネロンの薬剤ではわずか6パーセントへと下がり、ZMappの24パーセント、Remdesivirの33パーセントと比べて非常に低い数値となった。

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最終更新:8/14(水) 12:11
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