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「気候非常事態宣言」:英・カナダなど政府単位でも

8/14(水) 9:34配信

オルタナ

気候変動を単なる気象現象ではなく人類にとっての危機と捉える「気候非常事態宣言(CED)」が世界各国の地方議会に広まり、英国やカナダ、フランスなどが政府単位で宣言に踏み切った。19年7月末現在、CEDを行った国や地方議会は900を超えた。このほか小中高・大学などの教育機関や医療施設、博物館、美術館、企業がCEDを宣言する事例も増えた。日本では近々、環境経営学会がCEDに関する声明を発表する。(NZニュープリマス=クローディアー真理)

CEDは、気候変動を人類の危機として認め、対処する計画であることを、他国やほかの地方議会、市民に伝えることに意義がある。CEDを行う地方自治体や国は、宣言を抜本的な対策への第一歩と捉え、宣言することを決めている。

2016年、豪州で始まったCEDムーブメントは各国で地方議会が中心となり、急速な広まりを見せてきた。6~7月にかけてニューヨーク、パリ、英国・マンチェスター、ドイツ・ケルン、シドニーといった大都市がCEDを行っている。

地方議会が同ムーブメントを先導してきたのは、多くの場合、政治構造の規模がより小さく、地元における政策の決定権があるため、中央政府より意欲的な目標を掲げることができるためだ。気候非常事態への対処を啓発する豪団体、コミュニティ・アクション・イン・ザ・クライメート・エマージェンシー(CACE)のブリオニー・エドワーズ代表が、「地方議会による積極的なCEDが政府にも同様の動きを促すだろう」と予測した通り、5月、世界で初めて英国政府が国としてCEDを行うに至った。アイルランド、ポルトガル、カナダ、フランス、アルゼンチンといった国も英国に続いている。

7月末現在、CEDを行った国や地方議会は900を超えた。CEDムーブメントはさらに民間にも波及している。例えば、世界中の大学や専門学校などの高等教育機関7,000校以上がすでに宣言を行った。英国ではミュージシャン1,000人を含めた音楽業界関係者や企業、4つの国立美術館のネットワークであるテートといった芸術界にも、同ムーブメントは及んでいる。

海外でCEDムーブメントが活発化する一方、日本では現在のところ目立った動きは見られない。この事態を危惧した、認定NPO法人である環境経営学会(本拠地・東京)は、近々CEDに関する声明を発表する予定だ。

声明では、気候変動により地球環境が危機的状況であると同学会が認識していることを明らかにした上で、その取り組みにも触れている。緩和・適応について研究・実践し、社会への啓発を行うことや、政府による「環境と経済の好循環政策」やSDGsの目標達成、ESG金融の促進に貢献すること、さらには行政機関、科学者組織、NPO/NGOを含む諸団体にCEDについて広く連携を呼びかけることに努めるという計画だ。

最終更新:8/14(水) 9:34
オルタナ

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