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タワマン「年収10倍住宅ローン」の末路

8/14(水) 13:55配信

プレジデントオンライン

家計が苦しい。そんなときどうすればいいのか。「プレジデント」(2017年4月3日号)では、6つのテーマごとに家計改善のポイントを聞いた。第2回は「住宅のプロ」に聞く、「タワーマンションの選び方」について――。(第2回、全6回)

■3000万円程度の郊外物件には要注意

 2016年、「マイナス金利政策」が導入された結果、住宅ローンの金利は史上最低水準になっている。一般に住宅ローンは最長35年で組めるが、35年間金利が変わらない固定型では1%前後、途中で金利が変わる可能性がある変動型では0.5%前後で借りられる。金利は住宅購入で非常に大きな要素だ。金利が1%上がれば、毎月の返済額は約15%増える。現在、金利面では絶好の環境にある。

 しかし、新築マンションの売れ行きは鈍い。なぜなら価格も上がっているからだ。不動産経済研究所によると、2016年に首都圏で供給された分譲マンションの平均価格は5490万円だった。4年前の12年は4540万円だから、20%も価格が上がっていることになる。このため供給戸数は前年より11%少ない3万5772戸で、契約率も68.8%と09年以来となる70%割れの水準に落ち込んだ。

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佐藤さん一家 世帯年収500万円
夫:31歳 営業 年収500万 妻:31歳 専業主婦 貯金●80万円

2017年結婚したばかり。妻は「妊活」のため結婚を機に退職。「家賃を払うよりお得」と考えて、新婚早々に4500万円のタワマンを購入。双方の親から合計500万円の援助を得て、頭金なし4000万円の35年フルローン。妻が将来的に働けば家計も余裕になるという見込み。
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 住宅購入は、結婚や出産など、ライフステージの変化に影響を受ける。「子供が生まれたから、無理してでも買いたい」と考える人が多い。そうなると「年収の何倍までなら買ってもいいのか」という問いが生まれる。

 多くの銀行では、返済比率の35%までは住宅ローンを組んでくれる。手取りの年収が500万円だとすれば、年間175万円、毎月14.5万円を返済にあてる計算になる。こうした上限まで借りるとすれば、年収の10倍の物件を購入することは、理論上は可能だ。5000万円を年利1%で借りると、35年ローンで、毎月の返済額は約14.1万円になる。

 ただし、「年収10倍の住宅ローン」はおすすめしない。破綻するリスクが大きいからだ。先の例で、もし金利が1%上がれば、毎月の返済額は16.5万円になる。無理は禁物だ。一般に、返済比率が25%を超えると、返せなくなる人が増えるといわれている。年収500万円であれば、毎月10.4万円が上限の目安になる。3500万円を年利1%で借りると、毎月の返済額は9.8万円だ。管理費や修繕費を考えると、もう少し予算を引き下げたほうがいい。

 それでは、「年収500万円の人は、3000万円程度のマンションを購入したほうがいい」といえるのかといえば、これも難しい。率直にいえば、首都圏の場合、千葉・埼玉で3000万円程度の新築マンションを購入するのは勧められない。

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▼年収500万円での住宅ローン戦略
【どこまで借りられるか? 】
・返済比率が年収の35%だと……年収の9~10倍
→返済額は毎月14.5万円(年間175万円)
・返済比率が年収の25%だと……年収の6~7倍
→返済額は毎月10.4万円(年間125万円)

【5000万円の住宅ローンの返済額は? (※)】
・年利1%だと
→返済額は毎月14.1万円(総返済額は約5927万円)
・年利2%だと
→返済額は毎月16.5万円(総返済額は約6956万円)

※数値は住宅保証機構「住宅ローンシミュレーション」の試算結果
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最終更新:8/14(水) 16:00
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