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日韓関係よりも気になる急速な「ウォン安」

8/14(水) 6:00配信

JBpress

 2019年7月1日に日本政府が韓国向けの輸出規制強化策を発表して以来、韓国では日韓関係をめぐるニュースがあふれ返った。

 経済ニュースでも、日本政府の措置が韓国経済や韓国企業のどれほどの打撃を与えるのかを重点的に報じてきた。

 その一方で、産業界では「もっと気になるのが為替の変動だ。ウォン安ペースが速すぎる」との声が出ている。

 米中通商摩擦の激化やFRB(米連邦準備理事会)による利下げなどで主要国の通貨や株価はかなりの幅で変動した。それにしても、ウォンの変動幅も大きかった。

 韓国銀行(中央銀行)のデータによると、対ドルレートは、5月1日には1ドル=1163ウォンだった。それが、1か月後の6月2日、1191ウォン、7月1日1156ウォンと一定の幅で収まっていた。

 だが、8月1日に1181ウォンになり、8月6日には1211ウォンとなり、さらに13日には1223ウォンとなった。

■ 7月後半から急ピッチでウォン安

 1か月間で5%も「ウォン安」になってしまった。ここ数週間、円高が進んだため、ウォンの対円レートもかなり変動した。

 韓国では、100円が何ウォンかで表示する。

 5月1日には100円=1044ウォンだったが、7月1日1066ウォン、8月1日1086ウォン。2日1106ウォン、6日1146ウォン、13日1160ウォンとなった。

 円とウォンのレートはだいたい1対10だったが、1対11を超えてしまった。

 日本の観光客にとってはありがたい話だが、韓国からの観光客にとっては逆風だ。

 韓国の観光業界関係者の間では、「夏の旅行に日本を避ける傾向がかなり出たのは確かだ。不買運動のせいだという見方が多いし、もちろん影響はかなりあったと見ている。だが、ウォン安円高の影響も無視できないのではないか」という分析もある。

■ ウォン安は経済にプラスだったが・・・

 ウォン安はこれまで一般的には韓国経済全体にとっては「プラス」との見方が強かった。

 輸出立国、それも対米輸出依存度が高かった頃は、ウォン安によって韓国製品の輸出競争力が高まることはプラスだったのだ。

 ところが、今回のウォン安には不安の声の方が多い。まずは、ペースが速いことだ。

 韓国メディアによると、6月末からの1か月間で対ドルレートが下がったペースとしては、アルゼンチン・ペソと南アフリカ・ランドにつぐ3番目。アルゼンチンや南アの経済状況を考えれば、不安になるのも当然だ。

 さらにいえば、ウォン安になっても以前のように輸出が伸びないのだ。

 韓国の輸出金額は、2018年12月から8か月連続で前年同月比でマイナスが続いている。

 造船、自動車、鉄鋼、石油化学・・・以前は韓国の看板輸出製品が何枚もあった。だが、何年か前から、半導体が韓国輸出品目の一枚看板になってしまった。

 2018年には全輸出金額6000億ドルのうち、半導体が1000億ドルを占めた。

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最終更新:8/14(水) 6:00
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