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子どもの時に覚えた外国語はどの程度残るのか

8/14(水) 9:00配信

東洋経済オンライン

東京大学で認知科学や発達心理学の研究に従事する針生悦子教授は、赤ちゃんの「驚き反応」に着目するなどし、人が言葉を学ぶプロセスについて明らかにしてきた。それを整理したのが、新刊『赤ちゃんはことばをどう学ぶのか』だ。

そこにまとめられた最新の研究結果によると、どうやら私たちの頭に植え付けられている「子どもはラクラクと言葉を覚える天才」「子どものときから海外で暮らしていれば自然とバイリンガルになる」といったイメージは、ほとんどの場合、誤りのようだ。実態を聞いた。

■成長すると家庭外で過ごす時間が伸びていく

 両親がそれぞれ別の言語の母語話者で、子どもにはそれぞれの母語で話しかける場合、子どもがバイリンガルに育つこともあります。しかし、そうはならない場合も事実としてあります。

 子どもが赤ちゃんのときであれば、環境はほぼ親がコントロールできるかもしれません。話しかける言語はもちろん、何を食べさせるか、どんな服を着せるか、部屋の温度はどのくらいに設定するか、なども含めてです。

 しかし、家庭外の園や学校に行き始めれば、子どもにとっては、そこでの人間関係も大切になってきます。子どもの成長に伴い、一日の起きている時間の中で、そういった家庭外で過ごす時間は増えていきます。

 例えば父親が日本語の母語話者、母親が英語の母語話者で、日本に住んでいるという場合、地域の園や学校に行けば、そこでは誰もが日本語を使っています。そうなると園や学校に行く前には英語と日本語という2つの言語を聞き話していた子どもでも、生活の中で日本語を使う時間がどんどん増えていくのです。

 日本で暮らす国際結婚の家庭で調査を行っていた新田文輝さんは、そのような英語母語話者である母親と子どもとの間の次のような会話*1を記録しています。ちょうど新田さんが母親に英語でインタビューしていたところに、彼女の6歳の息子(ケン)が割り込んできて、始まった会話です。

子:「アノ ベントウバコハ ヤメテヨ。ママ、アノ アノ ベントウバコハ ヤメテヨ」
母:「ホワイ?」(どうして? )
子:「ダッテ ミンナ ネ、ケンクン コレ スキナンダ トカイウカラ イヤダ」

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最終更新:8/14(水) 9:00
東洋経済オンライン

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