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れいわとN国党に通じる不安な個人への訴求力

8/14(水) 5:20配信

東洋経済オンライン

 参院選で世間の注目を集め、その後も話題が尽きない「れいわ新選組」と「NHKから国民を守る党」(N国党)。

 この2つの政党の台頭を強引に一言で説明するとすれば、「政治とメディア」をめぐる状況の地殻変動に根差す「直接民主主義的なものへの期待感」が、「国政選挙」へダイレクトに反映された結果ということになるだろう。そして、今後この動きは加速しそうだ。「誰が本当のことを語っているか」についての「リアリティーの分断」が深刻化するかもしれない。

 「政治とメディア」をめぐる状況の変化は、2013年の公職選挙法改正が起点だ。 同年4月からインターネットによる選挙運動が解禁され、同年7月の参院選から実質的に導入された。それから6年を経てついに新しいフェーズに突入したと言っていい。

■ソーシャルメディアを巧みに使った「れいわ」

 「れいわ」は、短期間の間にソーシャルメディア上で効果的な情報発信をした。ライブ配信をはじめ代表の山本太郎氏の演説動画をアップし、公約の訴え方、候補者の人選を含めて「エンターテインメント性」の高いコンテンツに仕上げ、「れいわ祭り」と銘打った街頭演説会は、野外フェスのような熱気に包まれ、参加者の当事者意識を呼び覚ました。

 「N国党」は、NHKの集金人からの被害に対する草の根活動と並行して、YouTubeを最大限に活用し、「(視聴していないのに受信料を支払う)正直者が馬鹿を見ない社会にすること」を徹底的にアピールした。こちらは代表の立花孝志氏がユーチューバーとして活躍しており、つねに「エンターテインメント性」のある刺激的な話題で人目を引く術を心得ていた。

 両党に共通しているのは2つ。直接民主主義に近い感覚をもたらす「政治家と対話が可能な距離感」と、絶望的な社会状況に嫌気が差している多様な階層に対する「個人的な不安へのアプローチ」の重視である。

 「れいわ」は最初から有権者と直接コミュニケーションができる「街頭演説」に軸足を置いていた。そこでは、山本氏が自ら言及していたように「想定外の質問」なども寄せられる。

 当然手元に資料がなかったり、勉強不足で答えられなかったりするものも出てくる。一般的に、政治家にとってリスキーともいえる場だが、それを「市井の人々」に直に向き合う機会と捉え、「庶民と対話できる政治家」というブランディングに見事成功した。自分たちの声を確実に国政に届けてくれるという信頼性を獲得したのである。9月以降、山本氏は全国を「しつこく回る」と言っており、この運動のスキームはより盤石なものになりそうだ。

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最終更新:8/14(水) 5:20
東洋経済オンライン

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