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相場波乱、資産どう守る 米国債ETF・金が選択肢

8/15(木) 7:47配信

NIKKEI STYLE

株式、為替など金融市場が波乱の夏を迎え、資産価格の変動率が再び上昇してきた。景気と企業業績の減速に米中貿易戦争の深刻化が重なって、金融緩和期待との綱引き相場は一気にバランスを失った。景気持ち直しの展望も、貿易戦争の落としどころも容易には見通せず、資産運用は一段と慎重さが求められる局面だ。すでにある程度の金融資産を保有する人などは、改めて資産分散を徹底するなどの対応を考えたい。マネーの避難場所としては、米国の債券などが考えられる。

■景気鈍化と貿易戦争が重荷

「世界景気の鈍化と米中貿易戦争という2つの大きな不確実性が重荷となって、株式市場では変動率が高く、大幅な上昇が見込めない相場がしばらく続くだろう」。JPモルガン・アセット・マネジメントのストラテジスト、重見吉徳氏はそう話す。足元の世界的な株式市場の動揺はいったん落ち着くかもしれないが、警戒レベルを下げるわけにはいかない。
為替市場の動きも悩ましい。米国をはじめEU(欧州連合)や主要な先進国、新興国が金融緩和を志向するなかで、金融政策の選択肢が限られる日本には、これまで以上に通貨高の圧力がかかりやすい。今は米中が争う貿易問題も「2020年に大統領選挙を控える米国のトランプ大統領は、実績作りのためにいつ日欧に矛先を向けてもおかしくない」(重見氏)。これもドル円相場の上昇要因になる。
株式相場も為替相場も視界不良の市場環境で、優先して考えたいのは資産の目減りを防ぐ方策だ。長期で積み立て投資を続ける資産形成層は別として、株式を中心にある程度の金融資産を保有している人や、資産を取り崩す時期にあるシニア層などは、できればポートフォリオのリスクを抑制しておきたい。重見氏は「これから予想される景気後退に備え、ポートフォリオには少しずつ安全資産を入れる方がいい」と主張する。

■米債運用の投信はコスト割れ

では、現時点で安全そうな資産とは何だろう。すでに世界の投資マネーが押し寄せているのが米国の債券だ。米長期金利は18年11月の3.2%台を天井に、足元では1.7%台まで低下した。
それでも米国債が候補に挙がる理由はいくつかある。まず、今のような世界的に金融緩和が進み、景気後退も懸念される状況下では、まだ債券価格の上昇(利回りは低下)が期待できる。中でも米国の債券は先進国の中では金利が高い方で、安全性に加えて少しでも高い利回りを求める投資マネーに選ばれやすい。外国株や日本株との価格連動性(相関)も他の資産に比べて相対的に小さく、株式と併せて持つときの相性も悪くない。

注意が必要なのは、景気がこれから悪くなれば財務体質の弱い企業などではデフォルト(債務不履行)の懸念が強まりかねない点。対象は米国債や高格付け社債などの投資適格債に絞った方が無難だ。さらに資産防衛のためには円高リスクは負いたくないので、為替ヘッジ付きが望ましい。ヘッジのコストを考えると今の利回り水準では利息収入(インカムゲイン)はほとんど望めなくなるが、債券価格の上昇(キャピタルゲイン)は期待できる。
具体的にはどんな商品があるのだろうか。米国の投資適格債を投資対象とする投資信託は何本かあるが、独立系運用アドバイザーの吉井崇裕氏は「信託報酬が1%を超えるファンドが多く、今の利回り水準ではコスト倒れになりかねない」と指摘する。
そこで吉井氏が注目するのは保有コストの安い上場投資信託(ETF)だ。米国債で運用する東証上場のETFとしては、上場インデックスファンド米国債券(為替ヘッジあり)、投資適格社債が対象ならiシェアーズ米ドル建て投資適格社債ETF(為替ヘッジあり)がある。

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最終更新:8/15(木) 12:15
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