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学生動き出すプロジェクト型授業 先生は新事業のプロ

8/15(木) 7:47配信

NIKKEI STYLE

イノベーションが求められる時代。教育現場でも座学ではなく、学生が主体的に考えて行動する新しいスタイルの授業が増えている。本連載では「プロジェクト型授業」の様子を紹介していく。第1回は上智大学でデロイトトーマツベンチャーサポート事業統括本部の戸田裕昭氏が講師として担当する授業を取材。生徒が自らの志をアクションプランとして形作り、実践するための力を身に付けていく。

■正解のない問いを考え続ける

「社会的価値創出のためのプロジェクト形成論」。授業名を聞くと、最近、教育業界で注目されてきている課題解決型プロジェクト学習(プロジェクト・ベースド・ラーニング、PBL)のような印象を受ける。まずはPDCA(計画・実行・評価・改善)やインサイト(消費行動の潜在意識)といったことを学習するのだろうか……? 記者が教室をのぞいてみると、全く違った光景が広がっていた。

「掃除機は電気だけを使うけれども、洗濯機は水も使うから環境に良くないのでは?」
「いや、洗濯機は回している間、ほかのことに時間を費やせるが、掃除機は費やせないから、洗濯機の方が優秀だと思う」

約30人の生徒らが「洗濯機」と「掃除機」のどちらが強いのかについてグループディスカッションをしている。もちろん、正解などない。ルールは、相手から聞いたことを必ず否定すること。「答えのない問いに対する答えを正当化するゲーム」という、常識を取り払って考える力を訓練することを目的とした授業だ。

他にも「なぜ学ぶのか?」「今何かを変えられる力を持ったとしたら何をするか?」 など、全14回の授業の前半では正解を探す姿勢を徹底して崩すように、学生に問い続ける。「未来を創るプロセスには答えがない。プロジェクトをあれこれ考える前に、答えがないということの体験をしてもらいたい」と戸田氏は語る。プランを作ってもどう実現するか、常識を取り払って考えていかなければ新しいことはできないからだ。

最終的には、それぞれ自分が実現したいビジョンとそれを達成するためのアクションプランを考え、最後の授業で発表をする。その準備として授業の後半では、講師の戸田氏が「マンダラチャート」をアレンジして作ったワークシートを使う。3×3のマスが9つ並ぶ合計81に区切られたマスの中央に自らのビジョンを書き、そのビジョンが実現された場合、誰がどのようになっているかを具体的にイメージしながら、1つひとつのマスを埋めていく。生徒らの机に身を乗り出し、「それは誰の課題?」「それが実現したら、世の中はどう変わってると思う?」と問いかけていく。

ビジョンは抽象的なものでも、書いていくうちに具体的な行動計画につながっていく。昨年この授業を経験した学生のなかには、「多様性を認めあえる社会」をビジョンに掲げ、移民の多いオーストラリアに留学先を決めた学生もいる。授業をきっかけに留学の目的も定まり、留学前に日本で外国籍の子供についてのアンケートをとって、その結果を基に留学先で教育機関を視察した。

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最終更新:8/15(木) 12:15
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