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指輪は魔法のため 大宮エリーのなんでコレ買ったぁ?!

8/15(木) 10:12配信

NIKKEI STYLE

作家、演出家、画家、脚本家などの肩書を持つ大宮エリーさんは、自称「衝動買いの女王」。二度と着ない服や絶対に使わない小物たち……つい買ってしまったトホホなあれこれは数知れません。大宮さんが日経MJに連載したコラムをもとに出版された「なんでコレ買ったぁ?!」(日本経済新聞出版社)から、ファッションにまつわる衝動買いのエピソードをピックアップしました。「あーそれ、あるある」とニヤッとしたり、「意味わからない」と突っ込みを入れたりしながら、ゆる~く読んでみてください。



女らしさが足りないと言われた。所作が問題だと。わかる。私はなんだかがさつなのである。41歳でオッサンぽくなってしまったのをどうしたらいいか。髪形を変える?ネイルをする?エステに行く?どれも実はやってみた。そのときはいいのだ。美容院に行って、シャンプーしてもらって至れり尽くせり。髪を切るとリフレッシュする。新しい髪形、新しい自分。

◇  ◇  ◇



でも、なんだろう、翌々日、なんとなくその美容院マジックが半減している。新しい髪形なんだけれど、自分のいままでの癖、というものがでてくる。ブローだって見よう見まねでやるけれど、そりゃプロのものとは全然違う。髪形はその人のよさを作り上げてくれるけれど、所作、までは……。エステもしかり。で、ネイル。これはなんとなく少し所作が丁寧になる気がした。というのも指先に自分の注意がいくからだ。でもね、剥げて来るとね。

ということで、あ!と思いついたのが指輪なのだ。あれは不思議。指輪には魔法がある。つけると、手元に注意がいき、そもそも、何か重みのあるものが付いているから、指が少し不自由になる。そこで、あ、私指輪つけてるんだ、という感覚が、指から全身に伝わる。そして、指にアクセサリーをつけている自分モード!になるのだ。そうだ!シンプルな指輪、何にでも合う指輪を買ってみよう!と思った。

仕事の合間にその辺を歩いてみたら、アクセサリー屋さんが偶然できていた。本物の金でつくられた指輪や、宝石が埋め込まれたものなど。やっぱ、少し高くても本物をつけたら所作が変わるのでは、と思って2万円の金の指輪を購入。で、つけてみたら、やっぱ、あるとないとじゃぜんぜん違う!

◇  ◇  ◇


たとえば、お風呂で髪を洗う時、指輪に髪の毛がまとわりつくので、ああ、うざったい!と指輪を外した。すると、そこからそれに気づくまでの指輪なしの日々は、やっぱり所作ががさつなのだ。で、あわてて指輪をつけると、あら不思議。なんか手元が優しい動きになる。指輪って、すんません、いままで男性にプレゼントしてもらうものかと古風に考えていた。でも違うね!そんなの待ってちゃだめだ!オーソドックスな毎日つけれるものにして、自分をオッサン化させないために買うもの、それが指輪である! 大宮の新説ね。

大宮エリー1975年大阪府生まれ。作家、演出家、画家、ラジオパーソナリティー、脚本家、CMディレクター。広告代理店勤務を経て、2006年に独立。著書に『生きるコント』(文春文庫)、『なんとか生きてますッ』(新潮文庫)、『なんでコレ買ったぁ?!』(日本経済新聞出版社)など。 近年は画家としても活動。

最終更新:8/15(木) 12:15
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