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黄色ブドウ球菌はタバコの煙で“進化”し、薬剤への耐性を強める

8/15(木) 12:16配信

WIRED.jp

タバコは世界的に「予防可能な死因」のナンバーワンだと言われている。タバコには4,800以上の化合物が含まれ、さまざまな害を引き起こすことが知られているからだ。このほど英国で行われた最新研究によると、その“害悪”のリストをさらに更新せざるをえない結果が報告された。

「抗生物質が効かない」時代がやってくる

このほどオンライン科学学術誌「Scientific Report」で発表された研究は、タバコの煙が引き起こす「黄色ブドウ球菌」への影響を調べたものだ。

研究結果によると、黄色ブドウ球菌はタバコの煙に晒されると、その厳しい環境に適応すべく突然変異率を上昇させることが明らかになった。結果として抗生物質に耐性のある、より丈夫で持続性のあるMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)などの変異体を生じさせる率が高くなるという。

たばこの煙はヒト常在菌にどう影響するのか?

タバコの煙が免疫システムに及ぼす有害な影響については、盛んに研究されている分野である。免疫システムの低下による感染症、例えば肺炎球菌による侵襲性感染症や歯周病は、喫煙と強く関連することが明らかになっている。しかし、喫煙の結果として人体の感染に対する感度が高まるメカニズムは、完全には解明されていないのだという。 

はっきりしないもののひとつは、タバコの煙が免疫システムに及ぼす影響と並行してヒトの微生物叢、特に一般的な感染の原因となる細菌にどのように影響するかである。実際に以前の研究では、凝縮されたタバコの煙が肺炎球菌がつくり出すネバネバの粘液(バイオフィルム)の形成能力を大きく増加させ、肺炎球菌の持続的な生存と抗生物質に対する耐性を潜在的に増大させることがわかっている。

今回の研究は、ヒトの感染症に多くみられる「黄色ブドウ球菌」が、タバコの煙にどう反応するかを実験したものだ。

「研究室での煙への曝露は、長期間のタバコ吸引とは異なることは認識しています。しかし、喫煙などで誘発される身体へのストレスが、過酷な環境へと適応しようとする微生物細胞の反応を促す、という過去の研究に基づいて仮説を立てるのは理にかなっています」と、今回の研究を率いたバース大学生物学および生化学科のマイセム・ラーベイ博士は説明している。

黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)は、人や動物の傷口(特に化膿したもの)や、皮膚、口内、腸内などに広く生息している常在菌である。実験に使用されたのは6株の黄色ブドウ球菌で、これらは皮膚の感染、肺炎や、歯周病、心内膜炎などを引き起こすことが知られている。

「黄色ブドウ球菌は人間にとって非常に一般的であり、さまざまな疾患を引き起こす可能性があります。このため黄色ブドウ球菌がタバコの煙に晒されたときに何が起きるのかを確認したかったのです」と、ラーベイ博士は言う。タバコの煙のなかでも注目すべき要素は「活性酸素」だといい、これが高濃度になると殺菌作用をもつという。つまり細菌は、この厳しい条件に適応するため、タバコの煙に何らかの耐性をもつと考えられるのだ。

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最終更新:8/15(木) 12:16
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