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2019年参院選が示すもの:国政選挙6連勝の影にある安倍政権の課題

8/15(木) 16:20配信

nippon.com

竹中 治堅

参院選の結果をどう見るか。筆者は、れいわ新選組の国政登場に注目し、「安倍政権が今後も世論の支持を確保するためには、経済状況の改善にさらに取り組む姿勢を見せることが肝要だ」と指摘する。

7月21日に投開票された参議院議員選挙で、自民党と公明党は改選議席の過半数議席を獲得して勝利した。安倍晋三首相は2012年9月に自民党総裁に復帰してから、国政選挙で6連勝したことになる。ただ、いわゆる改憲勢力は非改選議席と合わせて3分の2を確保できなかった。投票率は戦後2番目の低い記録となった。

本稿では今回の選挙の過程と結果が持つ意義について分析する。まず、選挙戦全般と選挙結果を分析する。その上で、山本太郎氏が結成した政治団体「れいわ新選組」が一定の支持を集めたことに注目する。最後に選挙後に待ち受ける安倍首相の課題について述べる。ここ数年安倍政権が「働き方改革」「人づくり革命」などの名の下に推進してきた労働・分配政策の主要なものは、2019年10月の就学前教育無償化と消費税10%の引き上げでほぼ実現する。

今秋以降、安倍首相は社会保障制度改革に注力すると一部で報じられている。社会保障改革に注力するのであれば、政権の求心力を維持するためには表面的ではなく、本質的な改革案の策定に注力する必要がある。

2番目に低い投票率

まず、今回の選挙に有権者が大きな関心を持ったとはいえない。これは投票率が48.8%とこれまでの参議院選挙の中で2番目に低い数字となったことに現れている。

二つの理由がある。一つは、与党優位の情勢が選挙前から伝えられていたこと。二つ目は選挙の争点がはっきりしなかったこと。安倍首相は自衛隊を明記することを中心に改憲を訴えた。しかしながら、いわゆる改憲勢力の中にも憲法改正については温度差があり、改憲勢力が全体として具体的に発議できる可能性の高い改憲案を示したわけではなかった。結局、改憲をめぐる議論が深まったとはいえない。また、過去数年安倍政権が取り組んできた教育無償化などの政策の多くは元々、民主党系の政党が提唱したものであり、与野党間の政策論争も盛り上がらなかった。

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最終更新:8/15(木) 16:20
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