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ヒグマに頭をかじられアゴも半分失い死にかけた猟師が、それでも「クマ撃ち」をやめない理由

8/15(木) 11:32配信

デイリー新潮

 北海道札幌市の住宅街にヒグマが出没し、住民を恐怖に陥れた(その後ヒグマは14日に射殺された)。一方で狩猟肉=ジビエの流行とともに “究極の狩猟”とも言うべき「クマ撃ち」を描き話題を集める『クマ撃ちの女』をはじめ、ハンターを主人公にしたコミックが次々とヒットしている。国内最大の猛獣「クマ」とは、どんな動物なのか? そして知られざる「クマ撃ち」の世界とは? 北海道旭川市在住、「クマ撃ち」歴38年のベテラン猟師・Hさんに話を聞いた。

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「クマ撃ち」は頭脳戦である

――猟師を始めたきっかけは? 

H:親がハンターだったし兄貴もやっていて、自分も好きだったのでやりだしたんですよね。狩りの現場に初めて行ったのは、中学生くらい。13歳とか14歳くらいでしょうか。その頃から「やってみたいな」と思っていましたね。「銃を撃ってみたい」という気持ちもありましたし、山を歩いたりするのも好きだったし。
 
 猟銃の所有許可が出るのは20歳からなので、その年齢を待って狩猟免許を取り、その冬から狩りに出ました。最初は鴨を撃っていましたね。

――初めてクマを獲ったのはいつですか? 

H:初めてクマを獲ったのはのは、22とか、23かな。一人で行って、一人で獲ったんですよ。その年齢でクマを獲ったという人は、まずいないと思います。そもそもクマを獲る猟師自体があんまりいないですから。やっぱりおっかないからね。

 僕の場合、僕が小さい頃から親父や兄貴が獲っているのも見ていたし、それに一緒に付いて行って、手伝ったりもしていたから。それで自分で猟をやるようになってからも、ごく自然に、山歩いていて、見つけたから獲った、という感じでしょうか。

――普段は林業に従事されていて、クマ撃ちは1年に何カ月かですよね? 

H:猟期は10月から3~4カ月ですね。「クマ撃ち」だけをやっているわけではなく、シカ撃ちをやって、クマの足跡を見つけて獲れそうならクマを獲る、という感じです。一般的な猟師ですよね、何でも撃ちますから。

――猟師さんの中でも「クマ撃ち」をする人は特殊なんでしょうか? 

H:「クマ撃ち」は特殊だと思いますよ。銃で撃って一発で仕留めればいいんだけれど、仕留め損ねると逆に襲い掛かってくるようなことがあるから。若い人たちでも、クマを見ると恐怖感のほうが大きいだろうし、何十年もやっている熟練の猟師でも「おっかないからクマだけはやらない」という人もいますからね。

――「クマ撃ち」で、危険な目にあったことはありますか? 

H:ありません、今のところは。ちゃんと気を付けていますし、こちら側から行くと危ないなと思ったら逆から行ったり、笹が生い茂って視界がないようなところでは、特に気を付けながら歩いたり。

 まあおっかないことは、おっかないんですよ。でもどうやったら上手い具合に獲れるか考えながら、一番危なくない方法を選んで。これならかかってきても倒せる、撃てる、というのを考えて。クマの場合は特に頭脳戦でもあります。

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最終更新:8/15(木) 11:32
デイリー新潮

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