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川村Pが明かす映画『天気の子』制作秘話とは?

8/16(金) 6:50配信

キネマ旬報WEB

前作『君の名は。』に続き、『天気の子』のプロデュースを務めたのは、川村元気。いまや日本屈指のヒットメーカーとして押しも押されもしない存在といえる彼が、今作で果たした役割とは? ワールドワイドな展開を目指して再びタッグを組んだ新海監督との共同作業、そして一筋縄ではいかない新海作品の魅力について、たっぷりと話を聞いた。

王道のエンタテインメントを入り口に

―はじめに企画の経緯からうかがえるでしょうか。

川村元気(以下、川村) 『君の名は。』(2016年)が公開されて、僕らの想像をはるかに超えた世界的なヒットになり、各国の映画祭でも賞をいただいたりしていく中で、「次に何を作ろうか」という話はずっとしていたんです。宮崎駿監督作品で言えば、『もののけ姫』(1997年) のようなことが起きてしまったわけだから、次に狙うのは『千と千尋の神隠し』(2001年)。だとすると、次は新海誠の作家性が爆発したものだろうか、と個人的には思っていました。でも新海さんから出てきたのは、「王道のエンタテインメントをやってみたい」という言葉だったんです。

―その後、プロットをまず新海監督が書かれた?

川村 はい、今のストーリーの原案のようなものを最初にいただきました。ただ、「王道のエンタテインメント」を入り口としながらも、結論としては「賛否両論」を呼ぶものになっているなと感じました。

―製作報告会見でも、新海監督は「意見が分かれる映画」とコメントされていましたね。

川村 ただ、昨年末の制作発表会見ではまだ「ド真ん中のエンタテインメントをやる」と宣言していたんですよ。だから新海さんの中にも矛盾のある作品なんだと思います。ド真ん中の泣いて笑えて楽しい感動エンタテインメントも本音、結論が賛否分かれるだろうというのも本音。そうした二律背反した感情を不思議なバランスで保ち続けているところが、新海誠という人物の作家性なのかなと思っています。

最近は監督とプロデューサーとが逆転している

―前作『君の名は。』をめぐっては、川村さんのプロデュース力が、個性的な作家である新海監督をメジャーに導いた、と語られがちでした。その噂のいくつかはすでに否定されていますが……。

川村 よく誤解した噂が流れていましたよね。『君の名は。』のラストは、もともと『秒速5センチメートル』(2007年)的なすれ違いだったのを川村が変えさせたものだ、みたいな(笑)。あれは新海さんが最初から決めていた展開です。むしろ最近は、新海さんのほうがエンタテイナーで、僕が小難しいことをやらせようとする側、つまり監督とプロデューサーとが逆転していると感じることが多いくらいです。

―ただ川村さんが刺激を与えられた点というのも多々あったと思うのですが。

川村 そうかもしれません。ただ、『君の名は。』の取材のときに新海さんが「ここは川村さんが考えたアイディアです」と何度か仰ってましたが、僕自身は全然覚えていなくて(笑)。全員のアイディアが、スムージーのような状態になっているんですよ。ずっと一緒に考えてきたので、どれが誰の意見かはもうわからない。だから僕がやったとはっきり言える大きなことといえば、RADWIMPSと新海さんを出会わせたことくらいでしょうね。

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最終更新:8/16(金) 6:50
キネマ旬報WEB

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