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世界を舞台に躍進する音楽家、挾間美帆の軌跡

8/16(金) 18:05配信

T JAPAN web

ニューヨークを拠点に、指揮者・作曲家として活躍する彼女を直撃インタビュー

 挾間美帆さんは現在、ニューヨークを拠点に世界のジャズシーンで作曲家、指揮者、プロデューサーとして活躍している。「いつか、ふたつのジャンルの架け橋となる活動をしたい」というのが彼女の夢。ひとつは、もちろんジャズ。もうひとつは、幼少期から大学を卒業するまで専門的に学び、今もこよなく愛するクラシックだ。

自身のジャズ室内楽団「m_unit」を指揮する挾間さん

「人生をかけて実現できたらいいな」と思っていた夢が、早くもこの夏の終わりに叶う。その舞台は、「NEO-SYMPHONIC JAZZ at 芸劇」だ。シンフォニック・ジャズとは、平たく言えばクラシックのオーケストラが演奏するジャズ。ガーシュインの「ラプソディー・イン・ブルー」が、その代表例だ。ビッグバンドは多くても20人だが、当公演では二管編成の70人のオーケストラがジャズを奏でる。

 この公演で挾間さんはプロデュースを担い、指揮はオーケストラ専門の原田慶太楼さんに委ねる。演奏は、東京フィルハーモニー交響楽団だ。第一部ではガーシュインやバーンスタインなど、よく知られた作曲家の作品と、クラウス・オガーマンやヴィンス・メンドーサが作曲した、知られざるシンフォニック・ジャズの名曲を演奏。第二部ではジャズピアニストのシャイ・マエストロを迎え、彼自身の作品を挾間さんが編曲したものや、挾間さんの新作「ピアノ協奏曲第1番」が演奏される。

 音楽をつくるとき、挾間さんの頭の中で鳴る「初期設定」の音はビッグバンドではなく、子どもの頃から大好きだったオーケストラだ。だから、自身が主宰する13人編成の「m_unit」はオーケストラを縮小したイメージに近い。通常のビッグバンドには含まれないストリングスが4人もいて、トロンボーンの代わりにフレンチホルンを置く。リズムセクションにビブラフォンが入るのも、珍しい。

 音楽教室に通っていた小学生のとき、作曲家になると決めたと言う。ピアノやエレクトーンで弾きたい曲は交響曲ばかりで、当時のお気に入りは誰もが知る定番ではなく、レスピーギの「ローマ三部作」。大人になったら大河ドラマなどテレビの音楽をつくるような仕事ができたらいいな、と思っていた。

 国立音大ではクラシックの作曲法を専攻したが、ビッグバンドのサークルに入ってジャズピアノを弾くうちに、「ここでやっている音楽が、自分がつくってみたかった音楽にいちばん近い」と感じた。クラシックの平均律とは異なる音列を使ったスケールがあって、「そこにどういう飾りをつけるとカッコいいか」「どう裏をかくとカッコいいか」を考える。そんなジャズに求められる創造性について、挾間さんは次のように熱く語る。「先人たちがやってきた音楽の会話を、いかに自分の身にしみこませることができるか、その中で自分がカッコいいと思ったものを、どれだけ自分のものにしていけるか、ということなんです」。

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最終更新:8/16(金) 18:05
T JAPAN web

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