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バブル期、圧倒的な存在感で世界をリードしたメルセデス・ベンツのフラッグシップ【W140型 Sクラス】

8/16(金) 19:10配信

Auto Messe Web

メルセデス車造りの基礎になった新機構がいろいろと搭載

 W140の進化は走りの向上にも繋がった。マルチリンク式リアサスペンション(オプションでセルフレベリング・サスペンションやアダプティブ・ダンピング・システム、エアサスペンションも用意)、ABS、SRSエアバッグの標準装備など、W201やW124で培った技術が投入されたシャーシには、408psを安全に受け止めるためにトラクション・コントロール(ARS)を標準装備。さらに、エンジンからエアコンユニットまで、様々な機能を7基のECUを使って一括で管理、コントロールするデータパス・システム(CAN)が初めて投入された。

 このほか、先述の乾燥空気を密閉した2重窓ガラス、オートクロージャーの備わるドア、ノンフロンのオートエアコン、ランバーサポート付きの12ウェイ・パワーシート(オプション)を採用。特にバックギアに入れるとリアから自動で伸びるポールは、ボディが大きいぶん使い勝手を良くした。

 このように、究極の高級車を造るために考えうる様々なデバイスが惜しげもなく詰め込まれたのだ。さらに7リッターもの容量を持つ触媒、リサイクル可能なプラスチック素材の採用等環境問題に取り組んでいるのも先進的だ。

 2トンを超える車重など否定的な意見も多かったのも事実だが、ボディを大きくして巨大なV12気筒を搭載したうえ、これだけの新機構を装備して300kg程度の重量増に抑えたのは、メルセデス技術陣による努力の賜物。ここで、採用された様々な技術が、後のメルセデスの車造りの基礎になっていることを考えれば、W140が果たした意味が非常に大きいと言えるだろう。

妻谷裕二

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最終更新:8/16(金) 19:10
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