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ロレンソ・フェロが語る、初主演作『永遠に僕のもの』で得た経験 「いろんな役をやってみたい」

8/16(金) 10:14配信

リアルサウンド

 ペドロ・アルモドバルがプロデュースを務めた映画『永遠に僕のもの』が公開中だ。2018年にアルゼンチンでメガヒットを記録した本作は、僅か数年で12名以上の殺人を犯した実在の人物、カルロス・エディアルド・ロブレド・プッチをモデルにした少年カルリートスの、美しくも儚い青春を描き出したクライム青春ムービー。

【写真】ほか撮り下ろし写真

 今回リアルサウンド映画部では本作が銀幕デビューにして主演を務めたアルゼンチンの新星、ロレンソ・フェロにインタビュー。初来日の感想や、憧れの俳優、今後演じてみたいキャラクターまで話を聞いた。(編集部)

改めて「自由」や「現実」といったことに考えさせられた

ーー初めての日本はどうですか?

ロレンソ・フェロ(以下、フェロ):仕事がいっぱいあって忙しいけど楽しいよ。明日から10日間くらい休暇になるので京都に行こうと思ってる。

ーーあなたの母国であり、本作の舞台でもあるアルゼンチンはどんな国ですか?

フェロ:すごく美しい国だね。氷河、ビーチや山もある広い国で、いろんな風景を楽しめるのがアルゼンチンのいいところだと思う。才能を持った人がたくさんいるし、優しくて、世話焼きの人ばかりだよ(笑)。一方で、時には乱暴に怒鳴る人や、ものすごいスピードで車を走らせてクラクションを鳴らす人もいる。悪いところとしては、汚職をやっている政治家がいること。それは世界中どこでもそうかもしれないけれど(笑)。

ーー本作がデビュー作となりますが、出演の経緯は?

フェロ:監督がオーディションで気に入ってくれたんだ。そして今こうしてポスターに映ってる(笑)。当時はすごいプレッシャーを感じていたよ。

ーー本作のモチーフとなるカルロス・エディアルド・ロブレド・プッチはもともと知っていたんですか?

フェロ:僕は知らなかったけれど、アルゼンチンではすごく有名で、自分の世代よりもう少し上の年齢の人たちはみんな知っている。僕たちの世代の子は、この映画で実在の人物として取り上げられたことで、初めて知るということもあったみたいだね。

ーー自身が役に入り込んでしまうことはありましたか?

フェロ:幸い、この映画のトーンがそこまで暗くないこともあって、そういうことはなかった。ただ、この役を演じた時僕は学校を出たばかりだったんだけど、そんな時にカルリートスを演じたことで、改めて「自由」や「現実」といったことに考えさせられた。

「誰しもが暗い部分や暴力的な側面を持っている」


ーー今後やってみたい役はありますか?

フェロ:今はいろんな役をやってみたいね。コメディや学園物にも出たいし、サラリーマンの役も演じてみたいし……。とにかく、カルリートスというキャラクターとは違う役に挑戦していきたい。

ーー憧れの俳優はいますか?

フェロ:アメリカにもアルゼンチンにも、いい演技をしている俳優はたくさんいるから一人には絞れないけれど、ジャック・ニコルソン、ホアキン・フェニックスからは多くのことを学べると思う。好きな映画は、ジョン・カサヴェテス監督の『グロリア』だね。

ーー本作では、ペドロ・アルモドバルがプロデューサーとして携わっていますが、アルモドバルと話す機会は?

フェロ:アルモドバルとはカンヌ国際映画祭で映画を上映するまで話すことはなかった。制作・プロダクションの面でサポートしてくれたことは知っていたけれど。ルイス・オルテガ監督と演技指導の先生とはよく話し合った。

ーーカルリートスを演じる上でどのようなことに気をつけていましたか?

フェロ:観客がカルリートスに憎しみを抱くのではなく、共感を覚えてもらうために、無邪気な子供として演じるようにした。「殺人鬼」というダークな部分をあえて取り上げるようなことはしなかったんだ。

ーーカルリートスの行動は許されることではありませんが、確かに共感できるキャラクターになっています。

フェロ:表に出すか出さないかの違いで、誰しもが暗い部分や暴力的な側面を持っていると思う。常に明るくはいられない、カルリートスはそんな人間の本質を象徴しているんじゃないかな。

(取材・文・写真=島田怜於)

島田怜於

最終更新:8/16(金) 10:14
リアルサウンド

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