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60馬力&2万回転!? もしも【コスト度外視、最新技術】で4気筒250ccを作ったらどうなるのか

8/17(土) 11:01配信

WEBヤングマシン

可変カムにチタンコンロッド、ドライサンプも欲しい!

もう一つ、動弁系のトピックとしてはカムギアトレインの採用だろう。カムチェーン方式だと10000rpm程度からチェーンが微妙に暴れ出し、正確な動弁系駆動が難しくなる。18000rpmで超高速の動弁系駆動を行うためにはギアトレインは必須と言える。30年前の熱き時代も、ホンダの4発クォーターだけはギアトレインを採用していて、超高回転で最も綺麗な回り方をしていた。ただし、カムギアトレインも12000~13000rpmぐらいに共振点が出ると思われるので、ここは知恵を絞る必要がある。

さらに、新時代の4発クォーターを名乗るからには動弁系の可変機構が欲しい。スズキGSX-R1000のような可変バルブタイミングも良いが、理想はより効果の大きいカム切り替え機構。例えば開度300度と250度を回転数などで切り替え、それに応じてリフトやバルブタイミングも変更されるメカニズムで、ホンダ4輪のVTECや、2輪でもBMWが展開するシフトカムなどと同様のものだ。4発クォーターは低回転域の摩擦損失が大きく(全て4つ付いてるからね)、どうしても低速トルクが細くなってしまう。カム切り替え機構があれば低速トルクが改善されて乗りやすくなるうえ、燃費や排ガス規制への対応も楽になるのだ。

【カムシャフトを左右にスライドさせてハイ/ローカムを切り替えるBMWのシフトカム(写真)。ロッカーアームを用いるホンダ4輪のVTECのように、ハイカム時に動弁系重量が増加しないのがメリット】

燃焼室は、とにかくバルブを立てて、ヘッド側を小さくまとめたい。より細身なスパークプラグやレーザークラッドバルブシート(アルミ製シリンダーヘッドのバルブが当たる部分を、レーザー照射などで硬化処理したもの)も採用可能だろうから、熱き時代のものよりバルブ径も大きくしやすいし、燃焼室上部の冷却も改善できる。

主運動系については機械損失、特に摩擦損失が小さくなるよう、ひとつひとつの部品を見直したい。ピストンも30年前よりピンハイト(ピストンピンより上の寸法)を短くし、はるかにフリクションを小さく設計できる。ピストンリングも薄くしてフリクションを減らしたいが、いちばんのキモはオイルリングで、ここの厚さと張力のダウンは限界まで頑張りたい。

コンロッドについては、熱き時代は細く軽いコンロッドをスチールで作るため、浸炭熱処理という表面硬化処理を行っていた。現代ならやはりチタン合金コンロッドだろう。こちらはさほど小さい部品でもないので、バルブと違いチタン合金で対応可能。連桿比(コンロッド中心間長さ÷ストローク半径)も最低5弱は必要で、ここを外すと回るエンジンにはならない。

クランクは、ピン径とジャーナル径を極力細くしてフリクションを減らしたい。ジャーナル径も5ヶ所を揃える必要はなく、端側はより細くしてもいいが、細くした分は強度確保のため、現代の良質な鉄鋼材料を使う必要がある。熱処理によるクランク強化も可能だろう。ピン部とジャーナル部の隅R(フィレットRと呼ぶ)も極力大きくして強度確保に努めたい。

クランクまわりで大切なのがセンター給油化だ。18000rpmの超高回転下では、通常のジャーナルからのオイルの受け渡しは難しく、クランク端部からオイルを入れ、その中心部を縫うように設けられたオイル通路からピン部へ給油するべきだろう。クランクベアリングについてはメタルではなく、半割りタイプのニードルベアリング(一体型クランクとボルト留めタイプのコンロッドが使える)の採用もアリだ。潤滑系には近年のリッターSSで採用され始めているドライサンプか、またはセミドライサンプを採用したい。18000rpmでクランクが回っているケース内では、オイルミストでさえ抵抗でしかない。

吸気系はFIになったことで、熱き時代よりもかなりアドバンテージがある。緻密な燃料セッティングはもちろんだが、実は最大のメリットはスロットルをエンジンに近づけられること。超高回転エンジンでは吸気管長は極力短くする必要があるが、熱き時代はキャブレターボディの大きさで、あまりエンジンに近づけなかった。超高回転域の燃料供給の安定性を増したいなら、吸気ポートに加えてファンネル上部からも燃料を吹く、ツインインジェクター式としてもいい。

正直、全てを採用するとリッターSSクラス並みに高価になってしまうかもしれない。でも、超高回転化はひとつの技術で成り立つわけではなく、多くの技術を積み重ねていき、少しずつ達成していくものなのだ。

だから、もしメーカーが新しいエンジンを開発しているなら「これぞ新時代の4発クォーター!」という姿を見せつけて欲しいし、その意味ではカムギアトレインとセミドライサンプをぜひ採用して欲しい。性能も、さすがに55psは難しいとしても、熱き時代の45psは上回りたいし、Z900RSのようなサウンドチューニング技術を駆使すればいい音も実現できると思う。メーカーさん、そんな4発クォーターを待ってます。いいのが出たら息子のバリオスを買い替えますから(笑)。

WEBヤングマシン編集部

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最終更新:8/17(土) 11:01
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