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相続税評価額が猛烈に引き下がる「受益権の分離」とは?

8/17(土) 11:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

個人が持っている財産を守りながら、それを人に預けることを「信託」といいます。具体的には、本人が自分で財産を管理することに不都合が生じた場合、人に財産を預け、預かった人がその財産の管理を行いながら、生じた便益を本人に渡してあげる仕組みを指します。本記事では、岸田康雄公認会計士/税理士が、相続の生前対策として有効な「民事信託」の基礎知識を解説します。

1:「元本受益権」と「収益受益権」に分離できる

受益権の分離とは、信託財産そのもの(元本)を受け取る権利(=元本受益権)と、そこから発生する利益を受け取る権利(=収益受益権)を分離させることをいいます。

たとえば、信託財産が賃貸不動産であれば、土地と建物を受け取る権利が元本受益権、家賃収入から諸経費を差し引いた利益を受け取る権利が収益受益権となります。また、信託財産が投資信託であれば、当初個別元本と普通分配金に分離することができます。

2:受益権の相続税評価はどうなる?

信託の便利なところは、同じ資産から発生するキャッシュ・フローを2つに分離し、複数の受取人を設定できる点にあります。また、分離された各受益権は、別々に譲渡・贈与又は相続することが可能です。

父親が受益権を贈与しようとする場合にも、安定した現金収入が必要な長男には収益受益権を付与し、そうではない長女には元本受益権を付与することで、現金が必要な個々のタイミングに応じることができるのです。もちろん、老後の生活費が必要であれば、収益受益権を父親が自ら持っておくこともできます(自益信託)。

受益権の評価は、「信託財産の評価額=元本受益権+収益受益権」という計算式で表されます(財産評価基本通達202)。

たとえば、信託財産が賃貸不動産であれば、不動産の評価は土地と建物の相続税評価額(路線価等、固定資産税評価額)ですから、元本受益権と収益受益権の評価額の合計は、不動産の評価額に一致するということです。

一方、各受益権の評価ですが、収益受益権は、各年度の収益ごとに基準年利率(国税庁)による複利現価率を乗じた金額の合計額となります。また、元本受益権は、信託財産の評価額から収益受益権の評価額を控除した金額となります。つまり、収益受益権の評価額を計算すれば、引き算で元本受益権の評価額が出るということです。

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最終更新:8/17(土) 11:00
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