ここから本文です

年金崩壊…サラリーマンは持家があっても「老後破産」の危機

8/17(土) 8:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

2019年前半期のトップテーマとなった「老後2,000万円問題」。国主導で資産形成の自助努力を促すような内容に、国民の多くは唖然としたことだろう。政府への反発を恐れてか、麻生金融相は、報告書の作り直しを伝達。しかし、一度は算出されたその数字を撤回したところで、「老後の年金は期待できない」という事実は変わらない。高額所得者でない一般家庭のサラリーマンが、人生100年時代を生きぬくには、あまりにも厳しい現実が待っている。

年金受給者300万人増加、月額20,000円の赤字生活も

7月、厚生省が個人型確定拠出年金(iDeCo=イデコ)への加入基準を拡大したことが日本経済新聞に掲載され、話題となった。「老後2,000万円問題」がひんぱんに取り沙汰されるなかでの公表に、資産形成への注目がさらに高まった。

これら一連の動きを端的にまとめるならば、「公的年金だけでは老後の生活費が賄えないから、足らない分をイデコで貯めてください。どうせ貯めるなら、税制優遇があるイデコがいいよ」と国が推進しているということだ(ちなみに、イデコは60歳になるまで受け取ることができない。「緊急時に使えるお金」が十分にある家庭でもない限り、資産形成の手段としては熟慮すべき選択肢ではないか)。

「もはや年金は期待できない」というのが、国・国民の総意になってきたともいえるが、改めて現況を把握してみよう。

◆増える受給者、減る受給額

現在、年金が受け取れるのは原則65歳から(繰上げ受給も可能だが、減額される)。日本人の平均寿命が男女ともに80歳を超えているのだから、15年~20年は年金だよりの生活になる。では、実際の受給額はいくらか。

平成30年12月に厚生労働省年金局が発表した「平成29年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」では、以下の事実が報告されている。

●国民年金受給者の老齢年金の平均年金月額は、約5万6,000円(新規裁定者は5万円)

●厚生年金受給者の老齢年金の平均年金月額は、約14万7,000円

この数字ですら「生活していくには少なすぎる」と感じる人も多いことだろう。しかし、追いうちをかける事実がある。受給者が毎年増加していくなか、受給額はこの5年間で1,000円減少していることが、同報告書から見て取れる。

第2次ベビーブーム世代にあたる40代のサラリーマンが、60歳で定年退職を迎えたときは、「平均寿命100歳時代」になっていても何らおかしくない。老い先40年間を年金生活で過ごせるだろうか? 労働人口が減少の一途をたどるなか、無理があるのは明らかだ。

なお、平成29年度の家計調査報告書によると、2人以上の世帯の支出は、「40歳未満の世帯は1世帯当たり1か月平均256,160円,40~49歳の世帯は315,189円,50~59歳の世帯は343,844円,60~69歳の世帯は290,084円,70歳以上の世帯は234,628円」とされている。

単純計算すると、60~69歳の2人世帯の場合、1か月の収支は「14万7千円×2-29万円=4,000円」。たった4,000円しか残らない。受け取る年金が減少していく今ですら、この金額だ。

これだけではない。50代における教育費の平均支出は、約24,000円。昨今の晩婚化を踏まえれば、60代で教育費を負担する夫婦も今後さらに増えていくことだろう。つまり、トータルで毎月2万円超えの「赤字暮らし」は、避けられない現実なのである。

1/2ページ

最終更新:8/17(土) 8:00
幻冬舎ゴールドオンライン

記事提供社からのご案内(外部サイト)

富裕層・企業オーナー必読!「知識武装し、行動する」ためのWEBメディア。「資産防衛」に関する最新情報とノウハウを配信!

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事