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遊んで学ぶ。遊びの「戦」が地方創生のカギになる

8/17(土) 11:00配信

Forbes JAPAN

誰もが通る遊びの道、それは「戦いごっこ」である。男性であれば特に、幼少期、闘争本能が芽生えたかのようにバトルしていた記憶があるのではないだろうか。

どこで覚えたのか、剣を振り回したり、ヒーローの真似をしたり、勝利のポーズをとる。気分は勇者や将軍である。中には、無我夢中になり、怪我をしたり、涙したりした人もいるかもしれない。そんな「戦いごっこ」も、年をとるにつれすることはなくなる。しかし、機会さえあれば再び闘争本能が蘇ることもあるだろう。

近年、地域で盛り上がってきているのが、そんな「戦いごっこ」を本格的な遊びにした「チャンバラ合戦 -戦IKUSA-」だ。スポーツチャンバラと混同されるがルールは全く異なる。これは、NPO法人ゼロワンが開発したオリジナルの遊びだ。

2014年のNPO法人化から本格的に活動がはじまり、事業が拡大。2018年は、1年間で約150の合戦を開催した。単純なルールと年齢・性別・国籍・運動経験に関わらず参加できる気軽さがうけ、毎年150%近い成長を続け、今や1年間で2万人をこえる体験者がいる。

行政や歴史的な観光地からの依頼で、地域活性化のイベントをすることもあれば、企業研修や社内運動会、内定者懇親会等でチームビルディングのための題材として利用されるケースも多い。広場や体育館、研修室などちょっとしたスペースがあればどこでもできるのも魅力だ。

ルールは簡単。敵の腕についた命を討ち取るだけ

チャンバラ合戦のルールはいたってシンプル。小さな子供でもすぐ理解できるし、運動が苦手でも参加できる。

1.スポンジの刀を利き腕に持つ 2.反対側の腕に命(=磁石でついたボール)を装着する 3.戦開始!の合図で雄叫びをあげ、合戦を開始する 4.相手の「命」を討ち取る

戦いは、制限時間終了まで生き残った人数の多い方が勝利となる「チーム戦」、敵軍の大将を討ち取る「大将戦」、また参加者全員が敵になる個人戦「バトルロイヤル」など様々な種類がある。また刀も長さや固さ、スポンジ素材の密度などを工夫し、楽しさを維持しながらリスク面も担保できるよう、試行錯誤を重ねて独自開発をした。

身体を動かしながら、眠った歴史を蘇らせる

最大の特徴は、この戦ごっこをしながら、歴史を楽しく学ぶことができる点にある。例えば岐阜県にある戦国時代随一の観光名所、関ケ原では200名規模のチャンバラ合戦が開催された。歴史に疎くても耳覚えのあるであろう、徳川家康が率いる東軍と石田三成の西軍が激突した「関ケ原の戦い」の場所だ。ここでは、歴史的合戦が再現された。

具体的には、スタッフが武将に扮して参加者を誘導し、それぞれ1つの部隊として実際の関ケ原の合戦と同じ陣形で戦いを開始する。すると、これまで見えていなかった歴史の景色をそこで目の当たりにすることができる。

あの武将は合戦中なぜ隣の部隊を助けに行けなかったのか。武功をあげることが武将は何を考えていたのか。西軍が敗れた本当の原因はなんだったのか。あの部隊に人数を集めていたら歴史は覆ったのだろうか。小早川秀秋が寝返っていなかったら勝敗はどうなっていたのか、などと歴史的検証をしてみたり。私たちに歴史の新しい楽しみ方を教えてくれる。教科書で学ぶより楽しく、そして深く頭に刻まれることは、言うまでもない。

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最終更新:8/17(土) 11:00
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