ここから本文です

菅と麻生、「安倍後」見据えた知られざる暗闘

8/17(土) 6:10配信

東洋経済オンライン

 今年最大の政治決戦である参院選が終わった。首相の安倍晋三が率いる自民党は議席を減らしたものの、改選過半数を大きく上回る議席を確保。第2次政権が発足して以降、国政選挙6連勝を果たした。

 安倍が今後、自らの任期中に解散・総選挙に打って出て勝利すれば自民党総裁4選の可能性はなお残るが、安倍自身は周辺に今の任期での退任を明言している。その任期切れが2年後に迫る中で行われた今回の参院選では、表面上の与野党攻防とは別に「ポスト安倍」に向けた自民党の実力者たちによる熾烈な主導権争いが繰り広げられた。むしろ、それが参院選の真の焦点だった。

■「令和おじさん」がめぐらせる権謀術数

 その主役は、安倍の参謀役として7年近くも官房長官を務め、霞が関の官僚たちを掌握して「影の総理」と呼ばれる菅義偉だ。今度の参院選で菅によるライバル追い落とし工作の一端が表面化し、新聞各紙も「参院選で菅氏の存在感増す」などと書き立てた。

 だが今春、「令和おじさん」として有力な首相候補に躍り出るはるか前から、菅が「ポスト安倍」時代をにらんで、ライバルたちの力を削ぐために権謀術数をめぐらせてきたことはほとんど知られていない。

 菅の第1の標的は、安倍の盟友として今の内閣で存在感を示し続ける副総理兼財務相の麻生太郎、第2の標的はポスト安倍の最有力候補と言われてきた自民党政調会長の岸田文雄だ。その岸田が菅の標的になる理由にも麻生が関わっているので、まずは菅と麻生の対立構図から解き明かそう。

 2人の対立は根深い。麻生は、名宰相と言われる吉田茂の孫であり、皇室とも縁戚関係にある政界のサラブレッドだ。一方、秋田県のいちご農家の長男で、高校卒業後に上京して議員秘書から横浜市議を経て国会議員になった叩き上げの菅。かつては菅が麻生を支えた時期もあったが、2人は対照的な出自のせいか、ともに今の安倍政権の大黒柱でありながら重要な局面でことごとく対立してきた。

1/5ページ

最終更新:8/17(土) 6:10
東洋経済オンライン

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事