ここから本文です

欧州で「夜行列車復活」の機運、日本の鉄道は?

8/17(土) 6:00配信

東洋経済オンライン

 スイス国鉄の国際旅客輸送担当責任者であるアルミン・ウェーバー氏は今年5月末、スイスの放送局SRFに対し、同国鉄がこの数年以内に夜行列車の運行に再参入する具体的な計画があることを明かした。

【写真】デュイスブルクからワルシャワへ運行していた夜行列車

 スイス国鉄は2009年限りで夜行列車事業から撤退したが、現在もオーストリア鉄道の夜行列車「ナイトジェット」が同国のチューリッヒを起点とした便を運行しており、いずれも高い乗車率を誇る人気列車となっている。チューリッヒからは、ほかにもハンガリー鉄道がブダペストへ直通の寝台車を運行するなど、中東欧方面への夜行列車もあり、これらも人気がある。

■夜行列車復活の機運、なぜ? 

 夜行列車事業への再参入に際してスイス国鉄は、オーストリア鉄道がシーメンス社へ発注している新型寝台車と同型の車両導入も検討するとしている。スイス国鉄は夜行列車事業から撤退した際、寝台車すべてを廃車もしくは他社へ譲渡しており、現在は1両も保有していない。新型車の導入には2~3年を要するため、再参入は早くても2022年以降となる見込みだ。

 スイスに限らず、ヨーロッパでは昨今、夜行列車復活の機運が高まっている。日本と同様、ヨーロッパの夜行列車も高速列車や競合交通機関に押されて衰退の一途をたどっていたが、ここ数年は夜行列車の削減に歯止めがかかり、いったん廃止した路線に再開の動きが出てきている。

 その最大の理由は、オーストリア鉄道のナイトジェットの人気だ。同鉄道は2016年にドイツ鉄道から夜行列車「シティナイトライン」の運行を引き継いで高い収益を上げており、2017年、2018年ともに、前年を上回る実績を記録している。

 2015年限りで夜行列車の運行そのものがなくなったオランダは、オーストリア鉄道と協議し、数年以内にアムステルダムへの夜行列車乗り入れを再開させる方向で調整を進めている。

 オランダは2015年までシティナイトラインが乗り入れていたが、運行区間に新信号システムが導入された際、その信号システムに対応した機関車をリースする費用を削減するため、列車の運行を国境手前で打ち切ってしまった。そして翌2016年にはシティナイトラインそのものが消滅し、以降オランダに夜行列車は運行されていなかった。

1/4ページ

最終更新:8/17(土) 6:00
東洋経済オンライン

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事