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パート勤務で「稼ぎたくない」人が多い現実、企業はどう対応するか

8/18(日) 11:00配信

マネーポストWEB

 今年4月から「働き方改革関連法」が順次施行されている。「年を取ると働く場所がない」「パートはそんなに稼げない」などという話を聞くが、実際はその逆だ。

 非正規社員を占める割合が多く、慢性的な人手不足に悩むサービス業や小売業などでは、働き方改革関連法が施行される前から、非正規社員によりよい環境を用意し、長く働いてもらおうと、各種制度を整備してきた会社は多い。しかし、社員と非正規社員の待遇格差をなくし、給与をアップしても、非正規社員の中には、「それほど働きたくない」という人が多いのが現状だという。

 近畿圏と首都圏でスーパーマーケット「ライフ」を展開するライフコーポレーションの人事部担当者が語る。

「弊社の場合、非正規社員の年収が106万円以上になると社会保険加入義務が生じるため、給与から保険料を差し引きます。そのため多くの非正規社員は、時給が上がった分、勤務時間を減らして、トータルの収入が上がらないよう調整してしまうのです」

 実際には、税金を払ってもたくさん稼いだ方が得するケースは少なくない。長い目で見れば国民年金より厚生年金の方が年金額が増えるし、病気はけがで働けなくなっても疾病手当が出るなど、制度的に優遇されているからだ。しかし現実では、その考えはまだまだ浸透しておらず、企業の人手不足は、働き方改革関連法施行後も深刻なのだという。

働いた方が得する制度を導入する企業も

 こういった状況を踏まえ、働いた方が得だと思ってもらえる制度を設けた会社もある。

 例えば、コーヒーショップを展開するドトールコーヒーではパートタイマーにも退職金制度を導入。また、前出のライフコーポレーションでは、非正規社員にも子供手当を支給しているのだが、いずれも社会保険の加入者が対象だ。

 月収が25万円の場合、天引きされる保険料は介護保険を含めても1万4000円以下(*)。ライフコーポレーションの場合、1人分の子供手当(月1万5000円)をもらえれば天引きされた分は取り戻せる計算になるのだ。それならば、税金を払ったために手取りが減って損するという気にもならないはずだ。

【*全国健康保険協会「平成31年度保険料額表」における東京都の「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」を参考に、編集部で計算】

 さらに、非正規社員の正社員登用を推奨している企業も増えている。正社員でも短時間勤務や1時間からの有休取得が使える企業ならば、育児や介護中でも、仕事との両立が可能に。そういう会社を選べば、育児や介護のために正社員で働くことをあきらめていた人にも道が開ける。

 働きたい人がきちんと稼げる環境の会社は増えていくと、希望を持ってもいいようだ。

※女性セブン2019年8月22・29日号

最終更新:8/18(日) 11:00
マネーポストWEB

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