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早期退職する全ての人に共通するリスクとは? 「たっぷり割増退職金」には油断禁物

8/18(日) 8:10配信

NIKKEI STYLE

《連載》次世代リーダーの転職学 ミドル世代専門転職コンサルタント 黒田真行

希望退職の募集に動く企業が相次いでいます。希望退職制度はセカンドキャリアにどんな影響をもたらすのでしょうか。今回は、増加する希望退職制度の活用に潜むリスクをお伝えしたいと思います。

■48歳男性 深耕型スペシャリストの場合

つい先日、転職相談で会った48歳の男性Mさんは、早期希望退職制度に応募して、会社を辞め、転職活動をしているそうです。地方の国立大学を卒業後、大手機械メーカーに就職、関連会社への出向なども経験。約25年間勤めてきた販促マーケティングのプロフェッショナルとして、かなりレベルが高い実績を上げて活躍してきました。

特に、展示会やセミナーを通じて法人顧客を集め、集客後にアウトバウンドのコールセンターでアポイントを取り、現場の営業につなげていくというスタイルを磨き上げてきたことが最大の強みということでした。仕事ができるからこそ、同じ役割を長く担当し、またその経験値がスキルを深めていくという、典型的な深耕型スペシャリストです。

■退職から10カ月間、何をしていましたか?

「できれば、同じような法人向けのマーケティングで、営業の後方支援的な仕事で貢献できる場所を探しているので、メーカーでの販促マーケティングのポジションがあれば紹介してほしい」というのが依頼の内容でした。

「希望年収は前職と同程度の900万円以上。下がるとしても800万円以上は確保したいです。体力的に若くはないので、残業は前職時代の月間50時間よりは減らしたいと思っています」というのが希望条件。「外回りの営業は経験がないので今さら無理です」というのが除外条件でした。

会った際に、面談前にメールで送ってもらっていた履歴書と職務経歴書の内容で、一つ気になっていることがあり、質問しました。

私「Mさん、希望退職で辞められたのは昨年の9月末ですが、それ以降の約10カ月の間はどのように過ごしておられたのですか?」

■「退職金があるから転職は急がない」

Mさん「退職後は少しゆっくりしようと思い、昨年末までは骨休みをしていました。転職活動もスローペースで、求人サイトに登録した程度でした。年明けから、何社かの転職エージェントに登録して本格的に活動を始めました。エージェントさんからは多数の求人を案内もらいました。ほとんどが私の希望条件とは異なる、住宅や保険の営業などでしたが、そのうち20社くらいにはこの半年ちょっとの間に応募してみました。面接に進めたのは2社だけで、かなり厳しいなということがわかってきた状況です」

私「なるほど。なかなかご苦労されているのですね。ちなみにMさんとしては、いつぐらいまでに仕事を始めたいとお考えですか?」

Mさん「もちろんできれば早く仕事を再開できるほうがいいのですが、遅くとも来年の期初4月にはスタートしていたいですね。まずは退職金の割増があったので、生活が今すぐ苦しくなるということはないので、少なくとも年内はこのペースで希望の条件にあった求人を探していきたいと思っています」

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最終更新:8/21(水) 14:21
NIKKEI STYLE

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