ここから本文です

【夏の危険サバイバル】夏休みに注意 ハイキングに多い「迷子遭難」

8/18(日) 18:01配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

遭難しやすいのはこんな人、出かける際に持っていきたいものは

 夏にはキャンプやハイキングなど、自然の中へ出かける人も多いだろう。しかし、気をつけてほしい。米国のWebサイト「SmokyMountains.com」が公表した調査によると、森のハイキングで遭難する一番の原因は、けがでも悪天候でもなく、道に迷うことだという。

ギャラリー:一度は行ってみたい 息をのむような世界の絶景 写真51点

 調査では、過去25年間の報道100件以上を分析した。北米の国立公園や自然の中をハイキングする大人がどのように道に迷い、生き延びるために何をして、どのように生還したかを突き止めた。生還するまでの期間は半日から90日まで幅があり、生存者の41%が偶然コースから外れたために遭難していた。また生存者の16%はコースから転げ落ち、道に迷っていた。

 道迷いは誰にでも起こり得る。米グレート・スモーキー山脈国立公園でサバイバルインストラクター、捜索救難隊長、野生生物レンジャーとして働くアンドリュー・へリントン氏によれば、道迷いによる遭難は用心深い熟練のハイカーにも起こり得ることで、一番多いのは分かれ道など道を選ぶ、いわゆる決断ポイントでジャッジを誤ってしまうケースだという。

「コース上の分岐点で起きることもあれば、正式に認められていないコースで起きることもあります。コースが狭いため、案内などの手がかりを見落としてしまいがちなのです」とヘリントン氏は話す。

日帰りハイカーこそ注意を

 2018年に命を落としたスー・クレメンツさん(当時53歳)のケースでは、ハイキングコースと間違って水路に入り込み、植物が生い茂る荒れ地で迷ってしまったことが遭難の原因だった。

 今回の調査では、道に迷う危険が一番あるのは、自ら荒野に分け入るバックパッカーではなく、クレメンツさんのような日帰りハイカーだということを示唆している。クレメンツさんの遺体は、国立公園の一部である駐車場から、わずか3キロほどの地点で発見されているのだ。

 遭難時に体を冷やさないことは重要だ。調査によると、生存者たちが体を温める手段として、一番多かったのが衣服だった(12%)。また、風雨をしのぐシェルターとして最もよく使われていたのは、キャンプ用品だ(11%)。また、生存者の過半数が水を確保していたことも忘れてはいけない。飲み物を持参していた人もいれば(13%)、湖や小川、水たまりの水を飲んだり、木の葉の水をなめたり、コケの水を吸ったりと、水源となるものを遭難した周囲で見つけた人もいた(42%)。1人を除き、飢えが問題になるほど長く行方不明だった生存者はいないものの、35%が活力を維持できる程度の食料も持参していた。

 こうしたデータを総合すると、道に迷ったときに生きて帰ってくるには、暖をとるための衣服や道具、夜を過ごすためのシェルター、さらに、ある程度の水と食料を用意すべきだろう。

 ところが、こうした準備を、大半の日帰りハイカーはしない。バックパックにもう1枚服を入れる代わりに、カメラを持ってくる人の方が多いのが現実だ。ヘリントン氏も次のように述べている。「ハイキングに出掛け、道に迷ったとき、あるいは、悪天候に見舞われて空腹で寝ることになったとしても『夜が明けるまで辛抱すればいい、大した問題ではない』と考えがちです。しかし、野外で一晩過ごすための寝袋やテント、余分な服がないだけで、事態ははるかに悪くなります」

 米国の国立公園では2004~14年、合わせて4万6609件の捜索救難活動が行われたが、そのうち42%が日帰りハイカーを対象にしたものだった。次に多かったのは泊まりがけのバックパッカーだが、その割合はわずか13%だったのだ。

1/2ページ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事