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新型タントが高齢者向けオプションを装着しても福祉車両になれないワケ

8/18(日) 17:50配信

Auto Messe Web

福祉車両の条件に満たしていない

 大きな見直しを行うことで、格段に進化した新型のダイハツ・タント。その魅力は多岐に渡っていますが、なかでも充実した高齢者向けオプションが話題となっています。

センターピラーを持たない大きな開口幅のスライドドアで乗降性は良好

 タントに用意されている高齢者向けオプションを抜き出して見ると

・乗降時に足を上げ下げする高さを減らすことができる「ミラクルオートステップセット」
・助手席への乗降を楽にする「ラクスマグリップ(助手席)」
・右後席への乗降を楽にする「ラクスマグリップ(運転席シートバック)」
・右後席への乗降を楽にする「ラクスマグリップ(助手席シートバック)」

などです。

 ほんのちょっとした装備ですが、これをプラスするだけで、高齢者にとってはかなり乗りやすいクルマになります。

 これだけ高齢者に優しい仕様になるのだから、福祉車両として認められてもいいのでは? と思う人もいるでしょうが、そうはいきません。福祉車両として認められるには下記の条件を満たす必要があります。

1)車いすと車いすの方を乗せられる自動車
車いす等を車両に載せるための昇降装置、およびその車いす等を固定するために必要な装置を装備した車両。

2)身体の不自由な方が運転できる自動車
身体の不自由な方が運転できるように補助手段が施されている自動車。

 1)の条件を細分化してみると。昇降装置および車いす固定装置が必要なことになります。つまり、クルマのシートが昇降するか車いすそのものを昇降できる装置、および車いす固定装置が必要になります。もっとも軽微な装置だと、助手席などが回転するもので、車いすを昇降させるためのクレーンと固定装置を装備するものなどがあたります。スロープは昇降装置と見なされています。

 2)は細かく装備が決められていて、国税庁のホームページには下記のように書かれています。

 身体障害者による運転に支障がないよう、道路交通法第91条《免許の条件》の規定により付される運転免許の条件の趣旨に従い、その身体障害者の身体の状態に応じて、手動装置、左足用アクセル、足踏式方向指示器、右駐車ブレーキレバー、足動装置、運転用改造座席の補助手段が講じられている自動車。

 福祉車両として認められるには1か2のどちらかを満たしている必要があるので、タントの高齢者向けオプションを装着したからといって、簡単に福祉車両として認められないのです。また、福祉車両を装って改造を施し、消費税を逃れるというケースが懸念されていますので、消費税率アップ後はさらに厳しくなる可能性も考えられます。

 なお、ダイハツでは、福祉車両のフレンドシップ・シリーズをラインアップ。車いす移動車や昇降シート車、回転シート車などが設定され、タントにも用意されています。

諸星陽一

最終更新:8/18(日) 17:50
Auto Messe Web

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