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便秘の人の経済的損失は「年間122万円」、生存率「15%以上低下」というデータ

8/18(日) 7:00配信

デイリー新潮

 便秘は女性に多いと言われ、肌荒れや吹き出物、食欲不振を引き起こして、生活の質(QOL)が低下する。これが続くと、悩みのタネになることは言うまでもないが……。

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慢性便秘症とは、自然な排便が週に3回未満、あるいは、4回に1回を超す頻度で排便が困難な状態が何カ月も続いた状態をいう。

ところが、この便秘が経済的損失をもたらすという、驚くべきデータがある。便秘の人は、便秘でない人よりも会社を欠勤する率が高く、その経済的損失は年間約122万円にも上るというのだ。

 そんな数字を弾き出したのは、兵庫医科大学の研究チームだ。民間調査会社による日本人約3万人分の健康情報(2017年)をもとに、慢性便秘症と診断された患者(963人)と便秘ではない人(同)の働き方を比較。労働生産性と生活の質(QOL)を調査した。

 その結果、慢性便秘症の患者は、1週間の欠勤率が8・8%。便秘ではない人(3・8%)の2・3倍になったのである。さらに、注意深く仕事ができないなど、健康上の問題が生産性に影響を及ぼした割合は、便秘の人が33・2%、便秘でない人(19・1%)の1・7倍となった。

 この数値をもとに、日本人の平均賃金から経済的損失を推計したところ、便秘の人は年間約122万円、便秘でない人は約69万円。1・8倍の差が出たのだ。研究チームは、5月にあった米国消化器病学会でこの推計を発表した。

便秘は生存率が低い

「便秘のデメリットは、お腹の不快感や排便時のつらさなど、直接的なものだけではありません。慢性便秘になると、色々病気を誘発します。便秘の人はトイレでいきむ場合が多いので、それで高血圧になり、最悪、脳卒中に至るケースもあります。身体がハッピーではないので、沢山の仕事をこなすことができなくなり、QOLも落ちてくるわけです」

 と解説するのは、兵庫医科大学の三輪洋人主任教授。

三輪教授によると、便秘の人はそうでない人より生存率が落ちる、という調査データもある。2010年、米メイヨー医科大学が約4000人に対してアンケート調査を行った。

「便秘だけでなく、下痢、お腹が痛いなどの症状を質問する調査で、15年間の追跡調査を行ったところ、便秘と答えた人の生存率が低いことがわかりました。便秘ではない人の生存率は約77%ですが、便秘の人は約60%。実に15%以上も差が出たのです」

 13年に発表された厚生労働省の「国民生活基礎調査の概況」によると、便秘で悩む人は人口1000人あたりで、全体で37・8人。男性だけだと26人、女性は48・7人という結果がでている。13年当時の人口「1億2528万5000人」から計算すると、約470万人が便秘で悩んでいることになる。

「便秘は、検査の仕方によって数値が違ってきます。うちで、便秘がちと思う人、頭痛、腰痛、吐き気、高血圧などをインターネットで5000人を対象にアンケート調査をしたところ、便秘がちと答えた人が28%もいました。4人に1人が便秘ということになります」

 ところが、自分は便秘と思っている人で、これが病気だと認識しているのは半数もいないというのだ。

「便秘の人は、ほとんどが自分で適当に対処しているのが現状です。食事を考えたり、運動をしたり、水分を取ったり、自分で工夫しています。市販薬を使っている人は7・9%、病院に通っている人は4・7%だけです」

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最終更新:8/18(日) 7:00
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