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<経営者・編集長インタビュー> 馬立稔和 ニコン社長 2019年8月27日号〈週刊エコノミスト〉

8/19(月) 11:16配信

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 ◇金属3Dプリンターで光学の新機軸

── 5月に発表した中期経営計画では「光を使った工作機械」を成長領域に掲げました。

馬立 具体的な取り組みの第1弾が今年4月に発売した、レーザーを使った「金属加工用3Dプリンター」です。これで何が作れるのかというと、例えば自動車のエンジンから排ガスを吹き出すパイプ(排気管)があります。非常に複雑な形状をしているため、従来だとパイプを切断して溶接する必要がありましたが、当社が開発した金属3Dプリンターは1回の作業で作ることができます。

 同社の金属3Dプリンターは、金属の粉を特定のポイントに向けて吹きかけて、そこにレーザーを照射して粉を固めながら、設計データの形状を造形する。他社の従来製品に比べ、大きさで10分の1以下、重量で5分の1程度に抑えたという。

── 工作機械ではファナックなどの有力なメーカーがあります。この領域でニコンの立ち位置とは。

馬立 金属3Dプリンターは、光をレンズで集めて照射する仕組みが、主力製品である半導体製造用露光装置とよく似ています。パイプの製造以外で想定している用途として金型の製造があります。いまは熟練の職人による手作業で仕上げていますが、レーザーを使えば0・3マイクロメートル(1マイクロメートル=100万分の1メートル)といった単位で表面を削り取ることができます。

── ニコンが手掛ける工作機械の市場規模や売り上げの計画は。

馬立 従来にない分野なので、ユーザーには金属3Dプリンターの特徴を生かした製品を作ってもらい、新しい市場を開拓する取り組みが必要です。我々にとって挑戦ですが、大量生産から、個人の嗜好(しこう)に合わせた多品種で少量の生産を短期間に可能にするものづくりのパラダイムシフト(構造転換)を起こすことを狙っています。

 ◇ミラーレスに本腰

── カメラ事業はいまも中心ですが、市場は右肩下がりです。どのような戦略で臨みますか。

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最終更新:8/19(月) 11:16
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