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アメリカのエンタメ業界における“事務所問題”。

8/19(月) 17:11配信

VOGUE JAPAN

今、日本では、事務所と所属タレントとの間のいわゆる”事務所問題”が注目されているが、アメリカで似たような事態は起きていないのか? 結論から言えば、アメリカのエンタメ業界における雇用関係は、タレントが事務所に所属することから始まる日本と全く違う。では具体的にどうなっているのだろうか。ハリウッド在住のD姐が解説する。

アメリカのエージェンシー事情。

まず俳優やミュージシャンは、マネージャーと契約する。このマネージャーというのは、大概は個人だったり、マネージメント会社に所属していたりとケースバイケースだが、キャスティング・オーディションや舞台・ライブ活動をしているうちに発掘やスカウト、紹介されたりすることでタレントと契約する。

ここまでは日本と似ているが、日本だと映画会社やテレビ局などからマネージャーが仕事を取ってくる!となるが、アメリカで仕事を取ってくるのはマネージャーではない。エージェントだ。マネージャーは確かにタレントの売り込みやスケージュール管理から、一切合切のマネージメントはするが、仕事をブッキングするのはエージェント。ハリウッドでタレント事務所に当たるのは、「タレント・エージェンシー」だ。

日本の芸能界よりも、むしろメジャーリーグで活躍する野球選手におけるエージェントの役割を思い起こしてもらったほうがいいかもしれない。選手に代わって年俸などを球団と交渉するのがエージェントであり、 タレント・エージェントもクライアント(映画会社、テレビ制作会社、その他企業など)と仕事の契約代理交渉をする。しかしこれができるのはエージェントだけで、特にハリウッドのあるカリフォルニア州ではエージェントのライセンスを持っていなければならない。エージェントはタレント活動には欠かせないパワー・プレイヤーで、このエージェントを擁するのがタレント・エージェンシー会社だ。

最も歴史が古く音楽業界に強かったウィリアム・モリス社(WM)と、映画・ドラマに強かったエンデバー社が2009年に合併してWMEになってからはWMEの一強、もしくはCAAとのビッグ2の声さえ上がっていた。現在は、大きい順にスポーツ業界も含めオールマイティな最強WME、ロバート・ダウニー・Jr 、トム・ハンクス、トム・クルーズ、クリス・ヘムズワース、ジェニファー・ローレンスといった俳優たちを中心にクライアント数では最大の5000人を抱えるCAA、ビヨンセやサミュエル・L・ジャクソンと契約しているICM、アンジェリーナ・ジョリー、ハリソン・フォードのエージェンシーでありライブ系に強くセリーヌ・ディオンも担当するUTAの4社が4大エージェンシーと呼ばれている。そしてインディ映画や最近ではEDMにも強くエド・シーランとも契約しているパラディアム、クリステン・スチュワートやアダム・ドライバーを抱える老舗のガーシュやゲイリー・オールドマンらが契約するAPAと続き、SNSインフルエンサーやモデルなどに特化した新興のCKなども台頭している。

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最終更新:8/19(月) 20:40
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