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ムバッペたちを磨き上げた新理論「エコロジカル・トレーニング」って何?

8/19(月) 22:07配信

footballista

“スターの原石”を集めては次々と“真のスター”に育て上げてきたモナコとレオナルド・ジャルディン監督。その「原石を磨く」秘密は、彼らが採用した革新的なトレーニング理論「エコロジカル・トレーニング(生態学的トレーニング)」にあった。ジョゼ・モウリーニョが責任者を務めるポルトガルの指導者養成講座でそれに触れた林舞輝氏が、この戦術面だけではない「育てて勝つ」トレーニング理論を紐解く。

文 林 舞輝


  モナコにおいて、通算で5年にわたりチームを指揮してきたレオナルド・ジャルディン監督の功績は計り知れない。初年度の2014-15シーズンに、準優勝を飾った2003-04以来となるCLベスト8進出。2016-17には戦力や財政力などすべての面でモナコを凌駕するパリ・サンジェルマンを抑えて、17年ぶりのリーグ優勝を果たす。CLでもマンチェスター・シティやドルトムントを撃破し、堂々のベスト4。

 だが、ジャルディン前監督の最も偉大な功績は、タイトル数や結果ではないだろう。彼がモナコを率いている間にスターとなってビッグクラブへと巣立っていった若手選手を挙げてみよう。アントニー・マルシャル(マンチェスター・ユナイテッド)、ヤニック・フェライラ・カラスコ(大連一方)、ベルナルド・シルバ、バンジャマン・メンディ (ともにマンチェスターC) 、ティエムエ・バカヨコ(チェルシー)、トマ・ルマル(アトレティコ・マドリー)、ファビーニョ(リバプール)、 レイバン・クルザワ、 そしてキリアン・ムバッペ(ともにPSG)……。わずか4年の間で一つのクラブからこれだけのスターが誕生するというのは、はっきり言ってかなり特殊な状態だ。もちろん、その原石を見つけ出してくるスカウトの功績も無視してはならない。しかし、スターの原石を磨いて正真正銘のスターにするというのは、原石を見つけ出すこと以上に難しいことだと言っても過言ではない。事実、「スター候補」として将来を渇望されながらも、その才能を存分に開花させることなくキャリアを終えていった選手を数え出したらキリがないだろう。ただでさえ、「超」がつくほど上手い選手たちをトレーニングでさらに上手くさせるというのは、なかなかできるものではない。にもかかわらず、これだけの超一流選手たちがジャルディンの下で育った理由は何だったのだろうか? どのような練習やトレーニングでそんなことが可能になるのか?

 そのヒントは、ジャルディンがおそらく世界のトップレベルで初めて採用した、「エコロジカル・トレーニング」というメソッドにある。これは今までの欧州のトレーニング理論とはあまりにかけ離れているものであると同時に、もしかしたら未来のサッカーを先取りした革新的なメソッドかもしれない。

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最終更新:8/21(水) 12:49
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