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【国産名機10選 10】「ホンダ F20C」は自然吸気ながらVTECで250psを発生、ホンダ久々のFRスポーツに搭載

8/19(月) 18:30配信

Webモーターマガジン

ホンダ F20Cエンジン:1999年登場

クルマに「名車」と呼ばれるモデルが存在するように、エンジンにも「名機」と呼ばれる優れたものがある。ここでは、1960年代から90年代の国産スポーティFR車に搭載された、そうしたハイパフォーマンスなエンジン10基を紹介していきたい。今回が最終回となる。

【写真】ホンダ F20Cエンジンの搭載モデルなどを見る

ホンダ久々の縦置き直4エンジンとなるF20Cは、フロントミッドシップを実現するための小型化と慣性質量を抑えるための軽量化、そして世界最高水準の高出力を得るためのDOHC VTEC機構の進化を照準に開発された。

最大のポイントは、ローラーの中にVTEC切り替え用の連結ピンを内蔵した一体構造型のローラー同軸VTECロッカーアームを開発したことだ。コンパクト化と同時に約70%の動弁系フリクション低減を達成したことでも注目された。

この進化型DOHC VTEC採用にともない新設計されたヘッドまわりは、カムシャフト駆動ギアの小径化、バルブ挟み角の狭角化などにより、DOHC VTECながら従来のSOHCヘッドと同等レベルまで小型化された。

加えてカムシャフト駆動にベルトより幅の狭いチェーンを採用して全長を抑え、中空カムシャフトの中をオイル経路にしてオイル通路を集約。バルブスプリングも素材を見直し、丸線シングルにして慣性重量低減を図るなど、小型軽量化のためにワンオフと言って良いほどの新技術が投入されている。

ブロックはFRM(繊維強化金属)スリーブの採用でボアを拡大したアルミダイキャスト製。これをクランクシャフトセンターで上下に分割し、下部をラダーフレーム構造とすることで、小型化しながらブロック剛性とベアリング支持剛性を向上させている。

ムービングパーツの高回転化対応にも多くの新技術が投入されている。まず、アルミ鍛造ピストンは、コンロッド小端部のテーパー化や頭部形状の最適化でピストン高をきわめて低く設計し、軽量化とフリクションロスの低減を実現している。鍛造コンロッドは、新たに表面部を硬化させる浸炭処理を採用し、各部の厚みを減らして慣性重量を低減。


クランクシャフトは剪断疲労強度を向上させた新素材の採用で強度を向上させるなど、素材を含めたレース技術の投入が注目された。また、プラグにダイレクトに点火エネルギーを供給することで確実な着火を実現するイグナイター内蔵のプラグホールコイルの採用も、高回転化に寄与している。

吸排気系はレスポンスアップを狙ったもので、吸気側はスロットルバルブ以降のチャンバー容積を低減することでスロットルの動きに対するインマニ内圧のレスポンスを向上させる、新設計のストレートポートインテークマニホールドを採用した。

排気系は、集合部の形状にこだわったステンレス製大口径デュアルエキゾーストマニホールドで排気脈動を有効利用し排気効率を高めた。その結果、充填効率が向上し、超高回転技術と相まって5850~9000rpmという広い回転域をハイバルブタイミング域に設定でき、2L自然給気エンジンとしては最高レベルの高レスポンスと高出力化を達成している。

最新技術の結晶とも言えるF20C型は、ホンダの創立50周年を記念して開発されたS2000のためのパワーユニットとして1999年4月に発売開始され、スポーツファンから絶賛を浴びた。また2005年には、北米向けの2.2L仕様F22C型が国内にも投入され、扱いやすい高性能で注目されている。

ホンダ F20Cエンジン 主要諸元

・型式:F20C
・主要搭載車種:AP1型S2000
・発表年月:1999年4月 
・配置・気筒数:水冷直列4気筒・縦置き
・バルブ駆動機構:DOHC・チェーン/ギア
・気筒あたりバルブ数:4(吸気2/排気2)
・過給器:なし
・燃焼室形状:ペントルーフ
・総排気量:1997cc
・ボア×ストローク:87.0×84.0mm
・圧縮比:11.7
・最高出力:250ps/8300rpm(ネット)
・最大トルク:22.2kgm/7500rpm
・燃料供給装置:PGM-FI(電子制御燃料噴射)
・燃料・タンク容量:プレミアム・50L
・燃費:12.0km/L(10.15モード)

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最終更新:8/19(月) 18:30
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