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日本で1つだけ「青春18きっぷで“船に乗れる”のはどこ?」 現地に行ってみた

8/19(月) 5:30配信

文春オンライン

強雨にも強風にも“負けない”

 船というと、やはり気になるのが波や風の影響。風が強くなればとうぜん欠航せざるをえない。また、航行する海域によっては特別な注意が必要なことも多い。宮島フェリーではどうなのだろうか。

「10分間の平均風速が15mを超えるなど一定の条件下で運航の可否を判断する規定があります。ただ、欠航になるのは1年に数回しかありません。台風直撃の頻度と同じくらいですかね。もともと静かな瀬戸内海のさらに内海なので、強風が吹くことはほとんどないんです。強い雨が降っても大丈夫。もちろん船長が気を使うことは増えるんですが」(大田さん)

「大雨だとお客さまからの問い合わせも増えます。『雨がひどいけど船は動いていますか?』って。だけど雨じゃとまらない。風もよほどじゃない限り同じです。もちろん『絶対止まりません』とはいえませんが、JRの鉄道が止まっていてもこちらは動いていることなんてよくあります。鉄道の場合は止まっても代替交通がありますが、航路はそうはいかないですからね。安全に動かすことが確認できれば、可能な限り運航しています」(武安さん)

かわいいクジラが見られたらラッキー

 実際、筆者が取材に訪れた当日は九州に台風が上陸していた。そのため宮島フェリーの運航状況も気になったが、「まったく影響はなかった」(武安さん)そうだ。

「海域としても特に船が多いところでもないですしね。クジラなどの大型動物とぶつかるようなこともありません。宮島航路では……せいぜいスナメリクジラをみかけるくらい。小さくてイルカみたいなかわいいクジラで、見られた方はラッキーですね(笑)」

 宮島の弥山にあたった風が吹き下ろしてくる“弥山おろし”や、花火大会時に急増するプレジャーボートなど注意すべき点もあるが、運航に支障きたすほどのことはほとんどない。宮島フェリーの強みのひとつといってもいいだろう。

「ですから、特にお気になさらず気軽に乗りに来ていただきたいですね。宮島口の桟橋には改札口もないので、交通系ICカードがあれば簡単に乗れる。もちろん青春18きっぷもご利用いただけます。大鳥居の近くを通る弊社の航路で、嚴島神社と弥山のスケールの大きな風景をぜひ楽しんでください」(武安さん)

 ちなみに、現在厳島神社の大鳥居は修復工事中で、真っ赤な鳥居の周囲に足場が組まれている。今後はさらに覆いができて鳥居そのものを見ることもできなくなる予定だとか。8月中ならまだギリギリ“足場越し”の鳥居が楽しめる。夏の青春18きっぷが使えるうちに、“最後の鉄道連絡船”宮島フェリーに乗ってみてはいかが?

写真=鼠入昌史

鼠入 昌史

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最終更新:8/19(月) 5:30
文春オンライン

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