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会社経営の致命傷に…誤出荷による「見えざる在庫」の無限増殖

8/19(月) 15:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

在庫の実態を重要視し、正確に把握している経営者はあまり多くありません。しかし、増加する在庫が経営を圧迫して最悪の事態を招くケースもあります。誤出荷や返品のたびに正しく在庫管理を行えば問題ありませんが、その作業を怠れば、在庫や余計なコストが延々と積み上がってしまうのです。本記事では、経営者が経営判断を誤らないために、自社の在庫管理や流通の実態に目を光らせることの大切さを見ていきます。

デッドストックの著しい増加は「経営悪化」の兆候

倉庫管理が機能していない現場には、共通点が二つあります。一つは5S(整理、整頓、清潔、清掃、しつけ+作法)が徹底されておらず、現場が汚いこと。そしてもう一つは膨大な在庫の山が築かれていることです。なかでもデッドストックの著しい増加は経営悪化の兆候ともいえますから、決して見逃してはなりません。

ところが社長や経営陣が、倉庫における在庫の実態を把握していないケースは少なくありません。それでは会社経営がいつの間にか悪化し、気づいたときには手遅れに・・・といった最悪の事態に発展する可能性もゼロではないのです。

そもそも、なぜデッドストックは増えるのでしょうか。私はお客様によくその理由を聞いてみるのですが、たいてい返ってくるのは「販売数の見込み違いや発注ミスなどで商品を仕入れすぎたから」という回答です。

もちろん間違いではありません。仕入れすぎたり、発注ミスをしたりすれば在庫が増えるのは当然です。しかしそうした販売計画や生産計画といった、マーケティング戦略だけでは解決できない問題も潜んでいます。実は物流現場にも、デッドストックが増える要因はたくさんあるのです。

まずは、「入出荷作業の遅れ」です。せっかく売れる商品を仕入れたにもかかわらず、入出荷作業の遅れで販売機会を失ってしまい、そのまま倉庫に在庫として積み上げられてしまいます。新たな販売計画を立てない限り、そのまま何年もスペースを占有し、物流コストがかかり続けます。

続いては、「返品対応の遅れ」です。リバイバル作業の遅れが常態化すると商機を逃し、売れるはずの商品が売れないデッドストックに変わってしまうのです。

そして最後は「誤出荷」です。一見すると誤出荷と在庫は無関係に思えますが、ここに無駄な在庫を増やす落とし穴が潜んでいます。

例えば、誤出荷事故を発生させてしまったとき、現場でどのような対処をするでしょうか。クレームに対応し、本来の商品をお送りする。これだけで対応を終えているケースは少なくないはずです。

しかし本当は、そこからが誤出荷対応のはじまりなのです。まず誤出荷した商品Aは、システム上では在庫が「1」減っています。しかし、実際には誤って別の商品Bを送ってしまっているわけですから、誤出荷した商品Aの実在庫は減っていません。つまり、システム上は存在しない実在庫が棚に残っているのです。

この問題を放置するとどうなるでしょうか。システム上には存在していないわけですから、その商品Aに新たな出荷指示が出ることはなく、延々と倉庫に埋もれ続けることになるのです。

一方、間違えて送ってしまった商品Bは、出荷指示がなかったにもかかわらず倉庫の実在庫が減っています。これが、システム上は「1」あるはずの商品Bが、棚にはない状態の出来上がりです。商品を取りに行って棚になかったケースを前述しましたが、こうした原因も考えられるのです。

誤出荷を起こした際に適切な対処をせず、本来の商品を再発送するだけで済ませてしまうと、システム上存在しない実在庫が、倉庫のどこかで眠り続けることになります。同時に、システム上では欠品扱いとなり、余分な追加発注で在庫はさらに増えます。

つまり、誤出荷によって〝見えない在庫の増加〟と無駄発注による〝余分なコスト〟が発生するという、非常に効率の悪い倉庫管理が常態化していくのです。その結果、いつの間にか「なんだか無駄に在庫が多い気がする・・・」と釈然としない状況に陥ってしまうわけです。

誤出荷を出してしまったら、本来はすぐにその商品を探し出し、システムを修正して実在庫の数と合わせなければなりません。そのうえでクレームに対応し、実際にお客様が注文した商品を送る準備を整える。そうすれば在庫は適正に保たれ、必要のない追加発注も避けることができます。

こうして見ていくと、誤出荷を一度出すだけで多くの物流コストが余計にかかることが分かります。クレームに対応する手間やシステムを修正する費用、再発送にかかるコスト、リバイバル作業にかかる人件費はもとより、在庫の増加と余分な追加発注まで招いてしまいます。

誤出荷は百害あって一利なし。普段から誤出荷を出さないことを意識し、仮に誤出荷を発生させた場合でも正しい処理をしていく。その地道な積み重ねが適正在庫の維持につながるのです。

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最終更新:8/19(月) 15:00
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