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小学生に筋トレさせてもいい? 子どもに適した筋トレと「意味のない」筋トレとは

8/19(月) 17:33配信

THE ANSWER

連載「骨格筋評論家・バズーカ岡田の『最強の筋肉ゼミ』20限目」

「THE ANSWER」の連載「骨格筋評論家・バズーカ岡田の『最強の筋肉ゼミ』」。現役ボディビルダーであり、「バズーカ岡田」の異名でメディアでも活躍する岡田隆氏(日体大准教授)が日本の男女の“ボディメイクの悩み”に熱くお応えする。20限目のお題は「子どもの筋トレ」について。

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 Q.小学生の子どもがマンガのキャラクターに影響されて「ムキムキになりたい」と言い始めています。筋トレって子どもにやらせてもいいのでしょうか?

 筋力トレーニングの効果には大きく分けて3つあります。

 1つ目は「筋肉が出せる力を上げる」。これには「筋肉が大きくなること」と「神経系の要因が改善されること」という2つの要素があります。

 2つ目は「筋肉の持久力を上げる」。持久的に動き続ける力がつく、つまり筋肉がバテにくくなります。

 3つ目は「形が変わる」。これはボディビルやフィジーク、ビキニ選手たちのような、カッコイイ体になりたいという人たちが求める、見た目の美しさを磨く効果になります。

 その他には代謝が上がる(熱産生が増す)ということもありますが、今回は置いておきましょう。

 まず、「ムキムキになる筋トレ」ですが、1つ目の「筋肉が出せる力を上げる」ための「筋肉が大きくなる」トレーニングにあたります。また、筋肉の中の特定の部分を大きくすることで生じる「形が変わる」トレーニングもそれに該当するでしょう。しかし、この類のトレーニングは、思春期以前の子どもにやらせてもあまり意味がありません。なぜならその年代の体は、筋トレを行っても筋肉が大きくなってムキムキになる効果はあまり得られないからです。

子どもに適した筋トレは残りの2つ、大事なのは「神経系」

 では、子どもに適した筋トレとはいったいどんなものか? 答えは残りの2つ、力の出し方を学ぶ「神経系の要因が改善する」トレーニングと、粘れる力をつける「持久力を上げる」トレーニングです。

 神経系の要因の改善には、非常に重たい重りを持つことで神経が興奮して出せる力が上がるというもののほかに、軽い重りでも、できる限り最速で挙げることで出せる力を上げるパターンがあります。また、体を精密に制御する能力を上げる、つまり動きが「うまくなる」ものがあります。

 子どもに、質の高かさを求めつつ、たくさんやってもらいたいのは後者。例えば、キャッチボールで投球動作に入って片脚で立った時、あるいはサッカーで進む方向を切り替える時、体がグラグラしないよう制御する能力を磨くことです。これらの動作には、筋力が関わっていると同時に、うまく動きを制御することもとても大切。大人より断然筋力の低い子どもが、大人顔負けの動きをする場合もありますよね。このように体を精密にコントロールすることを学ぶために行う筋トレであれば、何歳から始めても構いません。

 具体的にいうと、筋トレならば、腕立て伏せの際、姿勢や肘の角度を精密にコントロールしながら、キレイに動くようなトレーニングです。スポーツの練習でいえば、柔道の打ち込み練習がこれにあたります。打ち込みとは、投げるまでの過程の動作を繰り返す練習ですが、これは、相手と組む、かつぐといった流れのなかで、全身の一つひとつの筋肉が調和をとりながら力を出す練習と言えます。

 特に子どもは神経系が成長しやすい年代なので、「狙った動きを完璧にやってね」という動きの練習としての筋トレは効果的です。それは柔道でも、テニスでも、体操でも、腕立て伏せやスクワットでも、どんな動きでも同じ。動作を意識してケンケンをキレイにやることは、浅めのシングルレッグスクワットジャンプをやっているようなものです。これはスポーツだ、これは筋トレだ、と分けて考えず、とにかく自分が思い描く動き(良い動き)を実際に遂行できる能力を磨くのです。

 もし、「ムキムキになりたい」といって腕立て伏せや腹筋をやりたがるようなら、体を精密に動かし、質の高い動きを覚えさせるよう導いてあげるといいでしょう。本人もきっとやる気になって楽しめるし、神経系のトレーニングを行うことで、その後、様々なスポーツに挑戦した際、必ずプラスになります。

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最終更新:8/19(月) 18:05
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