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中国返還前から見えていた香港の落日、無秩序化の痛すぎる代償

8/19(月) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン

● デモ参加者が暴徒化 風雲急を告げる香港情勢

 犯罪の容疑者を中国に引き渡す法令の制定に対して、香港市民は8月に入ってから連日、超大規模なデモを続け、かつて世界の貿易・金融センターとしての地位を誇っていた香港は大きく揺れている。

 デモ規制が強化されているなか、学生などが構成する抗議者側は、「公園の花見をしながら将来を考えよう」との誘い文句で非合法集会への参加を市民に促し、対抗する。自らの主張を通すために、空港占領、地下鉄の運行阻止など都市機能を麻痺させる過激な手段を講じたりして、抗議行動をエスカレートさせている。

 そのため、地下鉄港島線(Island Line)や東涌線(Tung Chung Line)などの多くの路線が止むを得ず運転を一時見合わせたり、発車時間の間隔を延ばしたりするなど、苦しい対応に追い込まれた。いくつかの大型バスも、路線を変更して運行せざるを得なくなった。

 しかも、デモが交通に与えた影響は香港地域にとどまらず、国際社会にも広がっている。香港の空港管理局は8月5日21時までに、香港国際空港で計224便をキャンセルすると発表した。特に、香港を基盤にするキャセイパシフィック航空の職員の多くがストに大きく関わったため、香港と海外を結ぶ移動手段を奪われた国際便の乗客も多かった。

 それだけではなく、ついにデモ参加者は、香港空港で利用客の移動を妨害したり、現場を取材する記者に暴行を加えたりと、暴徒化する傾向を強めている。

 以前から、日本の長いお盆休みを利用して、しばらくは実現できなかった中国南方の視察を実施しようと考えていた私は、香港経由で深セン、広州を訪問する出張計画を練っていた。しかし、香港の治安事情と交通移動に大きな不安を覚えた同僚たちから猛烈に反対され、止むを得ずその出張計画をしばらく棚上げすることにした。

 海外に居住する人間までもが不安を覚えていることから、度重なるデモ抗議が巻き起こした一連の混乱が国際都市としての香港に大きなダメージを与えたことは間違いないと再認識した。

● 良いものも悪いものも共に 焼かれてしまう「玉石倶焚」の様相

 香港特別行政区行政長官の林鄭月娥(キャリー・ラム)氏は、「デモ隊の一連の極端な暴力行為によって香港は危険な状況に追い込まれている。玉石倶焚の方法では香港は破滅に向かうだろう」と指摘している。

 ここで言う玉石倶焚とは、良いもの(玉)も悪いもの(石)も共に焼かれてしまうということだ。つまり、行政長官はそうした破滅的な結果が招かれるのを強く心配しているのだ。

 さらにその数日後、林鄭氏は「これまでの1週間に発生したことは香港の社会安全を脅かし、長年、自由、寛大と安定を保ってきた香港社会は五労七傷を被り、その回復には長い時間を必要とする。すべてが静まってからは、真心を込めた対話と交流で、社会の対立を解消したい」と述べている。

 五労七傷という見慣れていない表現をあえて使い、香港社会が被った被害と傷跡を強調する林鄭氏の発言には、強い危機感がにじみ出ている。

 市民の分裂と対立も広がった今、秩序ある社会の回復と安定した繁栄の維持は、今の香港にとって急務となる。数日前に、私は別のメディアを通して「(香港)は玉石倶焚の道を走ってはいけない」と警鐘を鳴らしている。

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最終更新:8/19(月) 9:00
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