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「がんの心配は1日1時間でいい」 がん哲学外来の言葉

8/19(月) 7:32配信

デイリー新潮

 ですから、なにか新しい対象を見つけるというのが方策です。

 がんよりも没頭できるもの、打ち込めるものを探すのです。

 人間は自分のことだけを考えて満足する生物ではありません。ですから、いい縁、いい本、いいものを探してみるのです。

 新しい対象を、「自分」の中に見出すというのも有効な手段です。

 私はよく、「苦しい時ほど、自分の役割を見つけてみませんか」と言います。自分にはこれができる、という役割意識に目覚めて他人に関心を持つことで、自分自身にこだわっていた心のあり方が大きく変わるからです。

 その役割は、新たな生きる基軸にもなっていきます。

 前回の男性相談者も、じつはその一人です。奥さんともう一度面談に来たあと、がん患者とその家族、そのほか関心のある人々が経験を語り合う「カフェ」にも参加するようになりました。今では「カフェ」のボランティアスタッフの一員となり、積極的に発言してくれています。

 その人の関心が外へ向き、心が豊かになっていく過程は、本人の表情が和らぐことでこちらに伝わってくるものです。そういう姿を見ると、私自身も慰められます。

デイリー新潮編集部

2019年8月19日 掲載

新潮社

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最終更新:8/19(月) 7:32
デイリー新潮

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