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奥川恭伸の準決勝回避を提案する。「万全の中4日で決勝」という理想。

8/19(月) 12:31配信

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 「休んどけ、休んどけ」

 ベンチでは、そんな声がエースには向けられたという。

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 3回戦の智弁和歌山戦で165球を投げてチームをベスト8に導いた星稜エース・奥川恭伸が準々決勝の仙台育英戦の登板を回避した。

 当然の策と言えるだろう。

 前日に165球もの球数を投じておいて、翌日も登板する可能性が議論されること自体が異常だが、甲子園ではそれが普通に起きてしまうのだから恐ろしい。

 「奥川を休ませるぞと全体ミーティングで話しました。前日に奥川が頑張っていましたので、野手たちは想いを背負ってやってくれたのだと思います。ベンチの中では『(奥川は)休んでろ、休んでろ』とか。どれだけ点を取っても『まだまだいくぞ』『(この試合は)まだわからんぞ』という声が出ていました」

 プレイヤーズ・ファーストの決断を下した星稜の指揮官・林和成監督は、試合後にそう語っている。

決勝の前に休養日を作った高野連。

 試合は序盤から星稜打線が爆発。

 今大会初スタメンに抜擢した今井秀輔の3安打7打点の活躍などで、仙台育英を圧倒しての完璧な勝利だった。奥川を休養させたで勝ち進んだのだから、チームも、そして指揮官も安堵したに違いない。

 周知のように、今大会から休養日が1日増えた日程になっている。

 その1日は準決勝戦の後に設けられたので、従来のように連投で決勝戦のマウンドに上がる投手の姿を見ないで良いかもしれないのだ。昨夏も「決勝戦は明日でいいのか」と疑問を呈したが、大会日程を変えた高野連の判断は賢明だと思う。

多くの学校が、ローテーションを採用。

 そうした日程が影響しているのか、準々決勝の第1試合では、明石商が2年生エース中森俊介の先発を回避している。中森は3回戦でも登板していなかったので話題になったが、本当に優勝を目指して先の日程を考えれば、指揮官が準々決勝での先発を避けたのは自然なことだ。

 その星稜に敗れはしたが、今大会の登板が少なかった1年生投手を先発に送り込んだ仙台育英の須江航監督も「優勝を目指すには、このローテーションで行くしかなかった」と決断に悔いはないと発言している。

 どんな投手を使っても試合の結果を完全にコントロールすることはできないが、準々決勝に進んだチームの監督の多くが、大会全体を含めたビジョンを持っていたことになる。

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最終更新:8/19(月) 14:51
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