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「決断」の一撃――柴田竜拓と中井大介、新たな旅立ち/FOR REAL - in progress -

8/20(火) 10:59配信

週刊ベースボールONLINE

優勝を目指して戦う横浜DeNAベイスターズ。その裏側では何が起こっているのか。“in progress”=“現在進行形”の名の通り、チームの真実の姿をリアルタイムで描く、もう一つの「FOR REAL」。

 くるぶしのあたりに感じる引き波はきつかった。

 オールスター明けから8月10日までを切り取れば、24戦17勝と、ベイスターズは上げ潮に乗ってきたのだ。いわゆる揺り戻しがいつか来るのは避けられなかった。

 8月12日、月曜日の神宮球場。2点リードの9回にクローザーの山崎康晃が2本塁打を浴びサヨナラ負け。翌13日は3回終了時点で5-1とリードしながらひっくり返され、14日は初回7失点と早々につまずいた。

 16日の対カープ3連戦の初戦も落として、3位に後退。連敗は「5」まで伸びた。

 だが、次戦の快勝で、線路のポイントが切り替わる音がした。

 初回、満塁のチャンスを逃さず3得点、2回は筒香嘉智の通算200号メモリアルアーチで追加点を挙げるなど攻撃が機能し、投げては石田健大&戸柱恭孝バッテリーが6回無失点のゲームメイク。さらに翌日は今永昇太の140球完封と、J.ロペスのたった一振りのソロ一発による1-0の勝利で、カード勝ち越しを決めた。

 尻上がりに終えた週末、久々の長い連敗をすっかり過去のものにした。

「普段どおりがいちばん強い」

 100試合を超え「ここからが勝負」と意気込む時期の連敗は、はた目には痛く、そして重かった。だが、「チームは本当にいい雰囲気だった」と強がる様子もなく語るのは、柴田竜拓だ。

「常にみんな前向き。ヤス(山崎)さんが打たれたのも、ここまであれだけ抑えてくれていたわけですし、みんな割り切れていた。誰かのせいじゃなくて、それぞれができる最高の準備をしてゲームに挑むだけ。ゴウ(筒香)さんを中心に、本当にいい雰囲気でできています。これといって特別なことをしようっていうのは全然なかったですね。普段どおりでいることがいちばん強いと思うので」

 連敗を止めた8月17日のカープ戦で、柴田は今シーズン第2号の2ランを放った。試合後、グラウンドで筒香が通算200号の祝福を受けている間、ベンチの片隅には、プロ4年目を迎えた柴田の“通算6号”を祝うボードも用意されていた。

 チームスタッフの一人は言う。

「運営室にいたスタッフみんなで大急ぎでつくりました。このところ、いろんな節目の記録があったので、記念ボードを入れておくための段ボールがちょうど残っていたんです。柴田選手のご両親が観戦に来ているとも聞いていました。本人が活躍して、しかも勝ち試合。ヒーローにはなれなかったけど、何か目立てることをしてあげよう、と」

 とはいえ、お手製のボードをグラウンドまで持ち出すことにはためらいもあったというが、大和の声が後押しをした。

「こんなにいいお祝いはないから持っていきましょうよ」

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最終更新:8/20(火) 11:40
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